interviews: July 2012アーカイブ

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FOUNTAINS OF WAYNE

何千年も昔、人は星を
空に開いた穴だと思っていた


ファウンテインズ・オブ・ウェインの最新アルバム『Sky Full of Holes』がリリースされてから、早いもので、もう約1年たってしまう。2011年の夏といえば(少なくとも、ぼく...伊藤としては)震災によって被った心の傷に、まだかさぶたもかぶっていないくらいのタイミングだった。そんなとき、気持ちを(わずかでも)おちつけるために、そのアルバムがどれだけ役にたったことか...。

"現実から目をそらす"のではなく、それをふまえたうえで気持ちをアップ方向にもっていくことができる。彼らの音楽は、常にそんな感じだった。ちょっとねじれた歌詞と極上のメロディー。4年ぶりの新作『Sky Full of Holes』は、久々にアコースティックな...風通しのいいアレンジが前面に出ており、本当に夏向きのアルバムとなっている。この2012年の夏も、たぶんおおいに聴いてしまうだろう。

そしてこの夏、彼ら自身が日本に来てくれる。いよいよ目前に迫ったアジアン・カンフー・ジェネレーション主催NANO-MUGEN FES.(開催は7月15、16日! 3連休後半だ!)出演のために。彼らは今年前半にも一度ジャパン・ツアーをおこなっているので、すごく短いスパンでの来日となる。うれしいことだ! 中心人物のひとり(ソングライターでもリード・シンガーでもないけれど、スポークスパーソン的な意味も含み「中心人物」という気がする:笑)のアダム・シュレシンジャーは、NANO-MUGEN FES.でのライヴについて、こんなふうに語っている。「全部のアルバムから少しずつプレイすることになると思う。新しい曲ももちろんプレイするけど、いくつかずっとプレイしていなかった古いレコードからのサプライズ・ソングもプレイするんじゃないかな」。おおっ! って感じ。

クッキーシーンは、『Sky Full of Holes』がリリースされたとき(いろいろ、どたばたしていて)インタヴューのタイミングを逃してしまった。是非とも聞いてみたいことがある、できればこの機会に!...というわけで、2012年における再来日直前、アダムにメールで聞いてみた!

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MY BLOODY VALENTINE

全部がただひとつの音に聞こえるような
レコードを作りたいと思っていた


その後の音楽の流れを完全に変えてしまったアルバムというのは、もちろんいくつか存在する。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインというバンドが1991年にリリースしたアルバム『Loveless』も、あきらかにそのひとつだ。

決してバカ売れしたものではない。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインは、いわゆるロック・スターでもない。だがその一方で、カルト的ステイタスに甘んじる「仙人的」なやつらでもない。ただ、1991年以来まったく新作アルバムを発表していない彼らが、そんなふうに見られる傾向があることもたしかなのだが(笑)。

ここ数年「出る出る」と言われていながら、なかなかリリースされなかった『Loveless』のリマスター盤が、この2012年5月、とうとう世に出た。それは、ある種の音楽ファンにとって重大な事件だった。たとえば、こんな言葉に反応するようなひとたちにとって...。

「(マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『Loveless』に入っていた)『Soon』(という曲)は、ポップの新しいスタンダードになるだろう。かつてヒット・チャート入りした曲のなかで、これ以上に曖昧で不明瞭なものをぼくは知らない」by ブライアン・イーノ

90年代初頭における彼のこの発言は、それから20年後にふりかえってみると、実に当を得ていたものだったことがわかる。

『Loveless』のみならず、彼らがそれ以前にリリースしていたもう1枚のオリジナル・アルバム『Isn't Anything』も、そしてレア・トラック満載の貴重なコレクション『EP's 1988-1991』も(もちろん全曲リマスタリングされて)一気に発売されたことを記念しておこなわれた、中心人物ケヴィン・シールズのインタヴューをお届けしよう。

2008年のフジロック以来となる、2013年2月の来日公演スケジュールも発表された。それを待ちつつ、お楽しみください!

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ptoto by Mitch Ikeda

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MOTION CITY SOUNDTRACK

ただ「ファック」って言わなきゃいけない
ときがあるのも事実なんだ


photo by Anthony Saint James
2012_07_MCS_A1.jpgアジアン・カンフー・ジェネレーションが主催しているNANO-MUGEN FES.の開催が、今年もいよいよ迫ってきた。7月15日と16日、横浜アリーナにて。

このフェスティヴァルをクッキーシーンが以前(雑誌時代)から注目してきた理由は、それが洋楽と邦楽、どちらかだけに重きを置いたイヴェントではないから。もちろんフジロックもサマーソニックも「洋邦とりまぜた」ものではあるけれど、やはり客観的に見て主役は洋楽だろう。そこに、いい感じで邦楽バンドも混ざっている。

NANO-MUGEN FES.も、主役はアジカンをはじめとする邦楽バンドだろうって? いや、たしかに、最初はそうだった。2003年にスタートした段階では邦楽バンドしか出演していなかった。しかし、2004年におこなわれたふたつのイヴェントのうち大阪会場にザ・クリブスが出演して以来、2005年にはアッシュやファラー、2006年にはザ・レンタルズやシルヴァー・サン、そして昨2011年にはマニック・ストリート・プリーチャーズやウィーザー...といった面子が登場。これで「邦楽中心のフェス」と言ったら、まったくもって非論理的だ...。

それだけではない。そこに登場する海外バンドが、どれもアジカンに影響を与えた、もしくは彼らが同時代的シンパシーを持っている者たちであることは特筆に値する。アジカンのような、普通の邦楽ファンにも人気の高い日本のバンドがこのような試みをつづけていることは、客観的に見て「日本における洋楽」に対して悪いことであるはずがない。はっきり言って、素晴らしい。

そして、今年のラインアップが発表になったとき、ぼく(伊藤)は仰天した。「うわあああっ!」と叫び声をあげてしまったくらいに。ファウンテインズ・オブ・ウェインとモーション・シティ・サウンドトラックが同じ日に(連日)出るんですか!? これ、すごすぎ。ある意味、夢のようだ...。どちらも、最高に「パワフルでナードっぽいスーパー・ポップ」をクリエイトしてきたバンド。ぼくとしては、このふたつのバンドとアジカンの音楽性は実に自然につながると思うのだが、一般的にはファウンテインズとモーション・シティのファン層さえ意外にかぶっていないことも知っている。後者のサード・アルバムは、元カーズのリック・オケイセックと並んで、前者のアダム・シュレシンジャーもプロデューサーとしてフィーチャーされていたことが、いまいち大きなバズに結びついていなかった。なんでだろう? 残念だ...という当時の思いも含み、この並びを見て余計にうれしくなってしまった。

もちろん、ほかのラインアップもグレイト。詳しくはここ...今年のNANO-MUGEN FES.サイトを見ていただくとして、クッキーシーンでは、モーション・シティ・サウンドトラック、そしてファウンテインズ・オブ・ウェインのインタヴューを連続で(過去数ヶ月、インタヴュー関係のアップが止まっていたことからすると、なぜ今度はこんなに早く? というくらいの速攻ノリで)お届けする。

まずは、モーション・シティ・サウンドトラック。実はこのインタヴュー、クッキーシーンのメイン舞台を紙媒体(雑誌)からウェブに移行するための準備をおこなっていたころ敢行されたものだ。いわゆる「新譜インタヴュー」(新譜のプロモーションのためにおこなうインタヴュー)ではないこともあって、ぼくが個人的に以前から聞きたかったことを、がんがん聞いている。ただ、なんとなくどたばたのなか発表の機会を逸していた。それを、ついに掲載できる。とてもうれしい。

さらに言えば、これ、ちょうど日本のバンド、既に解散してしまったビート・クルセイダースとの対バンの翌日におこなわれたもの...という意味で、なんとなくこのタイミングで発表するのも美しいだろう...と...! 久々に見なおしてみて、偶然アジカン関係のことも話題に出ていて、自分でもちょっとびっくり...。もちろん、リリースされたばかりのモーション・シティ・サウンドトラックの素晴らしいニュー・アルバム『Go』については(当然)聞けてないけれど、そのアルバムに対するぼくからのコメントは、インタヴュー・パートのあとに...。

というわけで、まずは、2010年3月におこなわれたモーション・シティ・サウンドトラック、ジャスティン・ピエール(ヴォーカル)、トニー・サクストン(ドラムス)のインタヴューを、どうぞ!