interviews: June 2011アーカイブ

ワイアー

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WIRE

きみたちの国で起こった悲劇的な出来事のあとに
東京に行くというのは、意義のあることだと思う

今年1月に待望のニュー・アルバム『Red Barked Tree』をリリースしたワイアーが久々の来日を果たし、東京は代官山ユニットのアニヴァーサリー・イベントで、一夜限りのライヴをおこなう

80年代の初来日も00年代の2度目も、プライヴェートな都合により行けなかった(泣)ぼくとしても今回は絶対に行くつもりだ! ぼく(ポスト・パンク世代:笑)の彼らに対する思い入れは、それほど深い。『Pink Flag』にはじまる70年代の3枚のアルバム、ラフ・トレードからのイレギュラーなリリース(シングルやライヴ・アルバム)をへてミュート・レコーズからリリースされていた80年代の一連の作品、そして『Send』で00年代に復活をとげてからのEPやアルバム、どれもこれもが素晴らしい。

今チラリと述べたとおり、彼らはいわゆるポスト・パンクを代表するバンドのひとつと目されている。先日発売されたクッキーシーン・ムックではちょっとしたポスト・パンク特集を展開した。そこにおける「総論」(みたいなもの)の冒頭に、00年代におこなった(曲作りにおける)中心人物コリン・ニューマンの発言を長々と引用した。過去にぼくが直接おこなった、当時のバンドたちのインタヴューのなかで、ポスト・パンクというものを最も簡潔かつ適確に捉えた発言と思えたから。

その特集では、ザ・ポップ・グループやスロビング・グリッスル、ギャング・オブ・フォーのインタヴュー記事を並べたものの、ワイアーのページは(単独では)設けなかったことを微妙に後悔していたところ、来日が決まってさらにそれがふくらんだ(笑)。しかし今回、クラブ系ウェブ・サイト、ハイアーフリクエンシー(Higherfrequency)、および招聘もとであるユニットとの共同作業により、彼らのメール・インタヴューをおこなうことができた!

上記のようなムック(紙媒体)の「くくり」に「並べなかった」ことは、もしかしたら、よかったのかも? と思える部分もある(Read & Burn, i say!)彼らの最新インタヴュー。70年代から現在に至る彼らのバックグラウンドもよくわかる、興味深い内容となった。是非ごらんください。


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GLASVEGAS

確かに極端でめちゃくちゃな話だけど
すごく美しいと思わない?


古くはオレンジ・ジュースやジーザス&メリー・チェイン、さらにプライマル・スクリーム、それからティーンエイジ・ファンクラブ、モグワイやベル・アンド・セバスチャンやトラヴィスなど、素晴らしいバンドばかりを30年以上にわたって輩出しつづけたスコットランドの地方都市グラスゴー(なんとなく音楽ファンにとってスコットランドの代名詞っぽくなっているけれど「行政の中心」となっている町はエジンバラであることに注意:笑)。そこから00年代に登場した注目すべきバンドとしては、まず(フラテリスとかも悪くないけど、クッキーシーン的には?)フランツ・フェルディナンド、そして彼らグラスヴェガスだ。

09年にリリースされた彼らのファースト・アルバム『Glasvegas』の衝撃は、並大抵ではなかった。それにつづく彼らのセカンド・アルバム『Euphoric///Heartbreak\\\』がリリースされた。前作の「いいところ」を抽出して、見事にスケールアップしたような、これまた感動的な作品になっている。

しかし、ちょっと気になる部分もある。前作『Glasvegas』には、誰の琴線にも触れるエモーショナルな"うた"が、聴き手の心の"ふれてほしくない"部分にあえてつっこみをいれるような、ひりひりした感覚があった。今回はそれがちょっと減退している。リード・シンガーでありソングライターでもあるジェームズ・アランの"激情"が、理想的な形で整理されているような印象を受ける。もちろん、それはいいことだ。実際のところ前作は、正直"常に聴きたくなる"ようなものではなかった。なんというか"ズタボロな気分になって盛りあがりたい"ときに、あれほどはまるアルバムはなかった。ただ、体調が悪いときにはつらいというか...(それでも"愛聴盤"と言える。ぼくは、そういう状態のことが多いのか...:笑)。だけど今回は、もっと幅広いシチュエーションで聴ける!

そして先日ジェームズ・アランに電話インタヴューすることができた。ここぞとばかり、最近のバンドや彼の状態について、そしてこのアルバムのキモのいくつかについて、聞いてみた。

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THE VACCINES

バンドとして有名になることに抵抗はないけれど
セレブリティーと呼ばれる存在にはなりたくない


この5月にリリースされた、ロンドンを拠点とする4人組バンド、ザ・ヴァクシーンズのデビュー・アルバム『What Did You Expect From The Vaccines?』が、あまりに素晴らしい。

あの天災/人災後、日本はもちろん、国籍に関わらず「世界」は明らかに変わった。ここにも少し書いたのだが、クッキーシーンも少なからずその影響を受けている。ともすれば憂鬱な気分になってしまいがちな日々のなかで、なんとか前向きに進んでいくのに、これほど助けになるアルバムはないのではないかとさえ思える。

ひとことで言って、彼らの音楽は、その鼻っ柱の強さも含み、極めて若々しい。一方、妙に老成した雰囲気もある。そんな不思議なバランスを持ったバンドが、ぼくは昔から好きだ。R.E.M.だってエコー&ザ・バニーメンだってマガジンだって、当時はそんなふうに感じたものだ。おっと、いけない、またジジイっぽい発言になってしまった。ヴァクシーンズの音楽が彼らに「似てる」わけでは全然ない。Alive & kickingという英語の表現がぴったりくるような彼らの音楽には、ふさわしくない。

先日発売されたクッキーシーン・ムック『Pop & Alternative 2011』では、彼らと同じような若さを感じさせる(実際ほぼ同い年くらいの)コントリビューター氏に、彼らに関する原稿を書いてもらった(彼による本サイト・レヴューは、こちらに!)。できれば、それも読んでほしい。

ここでは、数ヶ月前の取材をもとに、それらと被らない取りおろしインタヴュー記事をお届けしよう。その原稿の執筆前に、件のコントリビューター氏に見てもらおうとも思ったけれど、いや、それでは(なんとなく)つまらないと思い(笑)キープしてあった完全未発表インタヴューです。

The_Vaccines_201101_A1_roger.jpg
photo by Roger Sargant