interviews: March 2011アーカイブ

R.E.M.

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R.E.M.

伝えたかったのは"困難な変化が訪れても怖れないで
自分のプラスに変えよう"ってこと


R.E.M.の通算15作目『Collapse Into Now』は、90年代初頭、誰もが彼らを世界一のロック・バンドとして認識していた頃の自信と輝きを取り戻したような一枚だ。プロデューサーには前作に続いてジャックナイフ・リー(U2、スノウ・パトロール、エディターズほか)を迎え、パティ・スミスやレニー・ケイ、エディ・ヴェダー(パール・ジャム)にピーチズという胸躍るゲストが参加。レコーディングは、ポートランド、ニューオーリンズ、ナッシュビルのほか、デヴィッド・ボウイの『Low』やイギー・ポップの『The Idiot』、U2の『Achtung Baby』などの名作を生み出したベルリンのハンザ・スタジオでも行われた。

1996年にビル・ベリー(ds)が脱退して以降のR.E.M.にどこか物足りなさを感じていたリスナーも少なくないだろう。しかし、ポップなメロディと癖のあるサウンド・アプローチの融合を聴かせ、パンキッシュでエッジの効いたギター・サウンドとマンドリンやストリングスを織り交ぜた抒情性とのバランスを巧みに保った本作は、彼らの本領発揮と言えるいい意味でいかにもR.E.M.らしい作品となった。リスナーの心に希望を灯すような聴後感は、92年の名盤『Automatic For The People』を彷彿させる部分もあり、間違いなく彼らの最高傑作のひとつである。

ベースとバック・ヴォーカルを担当し、エディ・ヴェダー言うところの"R.E.M.の秘密兵器"であるマイク・ミルズに、厳寒のニュー・ヨークで話を聞いた。

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FRIENDLY FIRES

どんな状況でも前向きでいたいと思っている

フレンドリー・ファイアーズのファースト・アルバムには現実逃避の先にある甘美な夢がそこかしこに散りばめられていた。それは踊りながら脳みそが溶けていく瞬間のフィーリングが完璧にパッキングされた大傑作に違いはなかったが、5月にはリリースされる予定の彼らのセカンドがファーストを余裕で上回る出来であることは、おそらく間違いないだろう。何たって先行で試聴できた4曲が「Paris」と「Jump In The Pool」と「Lovesick」のそれぞれ優れたポイントをすべてより集めたような、信じ難いアンセム揃いだから。ファーストからのファンの期待は一ミリも裏切らず、もはや貫禄さえ漂う。早くも傑作揃いの2011年で、この「Pala」と名づけられた新作はどんな特別な輝きを放つのか。

去る2月に東京のみでおこなわれた一夜限りの来日公演前日、ワインと長旅の疲れで良い感じにヘロヘロになったメンバーに話を訊いた。

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HANNE VATNOEY

私は旅行しているような気分でプレイしたいの

去年、個人的にもっとも強く心に残ったアルバムはハンネ・ヴァトネの『Me And My Piano』だった。レヴューのほうでも書かせていただいたが、自分がポップ・ミュージックに求めるもののほとんどすべてが凝縮されたすばらしい作品だと思う(ちなみに彼女に強く影響を受けたアーティストを訊いたら、イモージェン・ヒープ、ケイト・ブッシュ、スザンヌ・アンド・ザ・マジカル・オーケストラの名を挙げて、妙に納得した)。このアルバムはリリースから数カ月が経った今日現在でも日本でしか発売されておらず、変に埋もれてしまうのは惜しすぎる才能である。彼女自身 "Colorful Spring"と称するその音楽は、これからの暖かくなってくる季節に聴くのにもぴったりだ。 

詳しくはインタヴュー本文を参照してほしいが、彼女の豊かなバック・グラウンドには驚かされるばかりだし、話を聞いているとノルウェーとは(文化事業的な意味において)なんてすばらしい国なのだろうと思わされる。以下は自身二度目の来日となった昨年11月に取材させていただいたもの(本当に遅くなってすいません...)。彼女はシャイでとても礼儀正しかったが、随所に見せるおてんばっぷりがいい味を出している。この取材のあとにライブもお邪魔させていただいたが、ノルウェーの若手技巧派ジャズ・ミュージシャンを従えてのパフォーマンスは活き活きとした楽曲も合間って迫力満点。チャーミングな面もつぎつぎ飛び出す微笑ましいひとときだった(ちなみに、そのときのようすはYouTubeなどでも観ることができる)。終演後、多くの手作り雑貨といっしょにハンネ・チョコと名付けられたキャラメル(!)を自ら物販していたのも印象的。音楽同様、頭からつま先までガーリッシュすぎる彼女の振る舞いを目にして、改めて虜にさせられたのであった。

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