taiyaku seminar

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さて、この夏(というか初夏)に、元ビート・クルセイダース/元モノブライト/現ザ・スターベムズ(先日ニュー・アルバムのリリースも発表された。めでたい!)日高央(ヒダカトオル)と組んで、なんとなく復活したクッキーシーン編集長伊藤の「歌詞対訳講座」、むちゃくちゃ好評だったため、早くも次回の開講が決まりました。


日高&伊藤のコンビネーション・トーク、まだまだスタート地点ということで、今回の基本テーマもひきつづき「英語詞はもうこわくない!」。


「日本人が書いた英詞」というややこしいサブ・テーマ...つまり「邦楽編」だった第1弾を受けて、今回は素直に「洋楽編」となります!


日高にとって「洋楽の入口だった」というモンキーズにはじまって、ここ最近のバンドまで、(彼や伊藤の趣味を考えれば:笑)かなり幅広い人たちの歌詞をとりあげる予定です。


ちなみに「ザ・モンキーズからアークティック・モンキーズまで」というサブ・サブ・タイトルがついてます。前身の(伊藤単体講師体勢による)講座でもアークティックはかなり初期に(2011年のうち...だったような...)とりあげてますし、そのときも俎上にのせた曲のひとつについて伊藤は(フリーランス・ライターとして)ロッキング・オン誌最新号(いわゆる9月号)でも書いてますが、今回はまた別の歌詞について語ろうと思ってます(笑)。


くわしくは、主催してくれているオトトイの、このページをごらんください。


開催は11月後半と、まだまだ先のように思えるかもですが、実は前回はわりと早めにソールド・アウトしてしまいました...。興味のあられる方は、どうかお早めに...


楽しい時間になることは(ほぼ確実に)保証します!


よろしくお願いいたします!


2014823952分(HI

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もちろん東北や北関東にベースを置いているかたほどではないんですが、00年代から(ほんの一部の期間を除き)ヴァーチャル編集部制を標榜してきたクッキーシーンも、2011年3月の震災/原発事故により、かなりのダメージを受けました。

ちょうどそこのころ「いろんなこと」をスタートさせようとしていたのが、ほとんど全部、停まってしまった...。

この、伊藤による「歌詞対訳講座」もそのひとつ。ふりかえってみると、最初の「告知」をおこなったのが2011年2月末...。なんというタイミングだったのか...。ただし、これは「募集」を始めてしまったこともあり(?)、苦しみながらもスタート。がんばって、つづけてきました。過去5クールのあいだに出席してくださった方々は、ほんとうにありがたかった...。あえて言わせてください。彼らは(ぼくから見て:笑)真のロック/ポップ・ミュージック・ファンだった!

でもって、しばらく(1年くらい)お休みしていたこの講座、とりあえず(以前のような「連続もの」ではなく)「不定期におこなう」形で、この7月あたま、ついに復活します!

くわしいことは、主催してくださっているオトトイの、このページをご参照ください。

というか「情報公開」から数日たった今、もうすでにソールド・アウトに近くなっているそうで...(汗)。このサイトにおける告知が、ちょい遅くなってしまい、すみませんでした。興味のあられるかたは、どうか急ぎめにお申込ください...。

よろしくお願いいたします!

2014年5月29日6時15分(HI)

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先日ここでもお知らせした、歌詞対訳講座「ロックのコトバ」は、4月27日(土)にスタートします。


その講座は、代々木公園の隣にあるオトトイのオフィスでおこなわれるんですが、そのオトトイの編集長でありオルタナティヴ・パンク・バンド、リミテッド・エクスプレス(ハズ・ゴーン?)のリーダーでもある飯田仁一郎と、講師伊藤英嗣による対談が、オトトイ・サイトにアップされました。


http://ototoy.jp/feature/index.php/20130417


この講座に関する詳細が記された以下のURLから(たぶん)開講直前まで、申込を受けつけています。


http://ototoy.jp/school/event/info/81


よろしければ、是非m(_ _)m


2013年4月22日10時22分(HI)

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標題の件、まずはこちらをご参照ください。


歌詞対訳講座について、この場を借り、講師であるぼく(伊藤)自身から、もう少し...。


先日、プライマル・スクリームのニュー・アルバム『More Light』日本盤ブックレットに掲載するための歌詞対訳を、かなり入れこんでやっていました。そのときに(今さらながら)思いだしたことがあります。


アルバム『More Light』には、かなり(言葉本来の意味で)ブルースっぽい部分もある。それに見あってリフレインも多い。黒人音楽としてのブルースは「(ほぼ)同じ歌詞を、何度もくりかえすこと」が重要な要素になってるんですが、以前、尊敬する翻訳者/ライター/ミュージシャンの方(吾妻光良さん)が、こんな内容のことを書かれていました。


「ブルースのリフレインを(英語としては同じであっても)どう変えて日本語化していくかが、歌詞対訳の妙味」みたいな...。ぼくも、まったく賛成です。


もともと、ポップ・ミュージックの歌詞というのは曖昧なもの。英語の歌詞を、英語ネイティヴの人たちが聴いても、意味がとれなかったりするみたい(実際、Song Meaningみたいな英語サイトもあることだし...。というか、多くの「J-Pop」の歌詞のほうが「はっきり」しすぎ。くそだな、まったく...)。


そんな曖昧さをひきうけつつ、どのように日本語化していくか...もしくは、どのように日本語で「意味」をとらえるか追求していく。


それが、この講座の目的です。


ぼくは音楽関係の和英翻訳者/ライターを長年やってきたのですが、とくに前者を担当する場合「自分の『意見』をなるべく付随させず、作者の、できるだけ『生の声』を伝える」ってことをモットーにしてきました。


ただし「英語と日本語の違い」によって、「ひとつの訳に決めるためには、翻訳者のフィルターをとおさざるをえず、それが『意見』となってしまう」こともある...。


しかしながら、ぼくには上記のような姿勢があるだけに、そんな「意見」はなるべく排除する方向でやってきました。


90年代に歌詞対訳を始めたころは、それが(たぶん、わかりづらいってことで?)結構批判されていたりも...(実際、今エゴザーチすると、当時のぼく対訳を批判したサイトが結構うえのほうに出てきて、悔しい...。正直、当時2ちゃんでは、むしろ「伊藤の文章は最悪でくそ。まじ死んでほしいけど、対訳は悪くない。まあ、いいんじゃない?」みたいな意見が多かったように思うんですが...:笑)。


まあ、とにかく、そういった特徴をむしろ活かしつつ、より充実した講座とするため「1期ごとに大きなテーマを決めて」臨むことにしました。今回のテーマは「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが切りひらいた地平」。くわしくは(ふたたび)こちらをご覧ください。


これらを読まれて少しでも興味を持たれた方は、どうかふるってご参加ください。少々お高いですが、お値段に見あったものが、きっとご提供できると思います。


何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m


なお、このコーナーでは、受講者の方に「課題」として出していただいた対訳を発表する...ってことを今までやってたのですが、JASRACのしめつけがより厳しくなっているらしく、それはもう(なんとなく)やめざるをえなくなりました...。


すみませんm(_ _)m


2013年4月11日17時6分(HI)

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音楽配信サイトototoyでおこなわれている、歌詞対訳講座とリンクしたこのページ、「第4期(2012年10月~2013年3月:毎月第3土曜日開講:全6回」の募集告知をかねつつ、更新させていただきます...。

もうすぐ始まる第4期では、デヴィッド・ボウイやザ・キュアー、「最初のUKパンク」やソニック・ユース、ザ・リバティーンズやクラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーといった人たちを俎上にのせ、いろいろみんなで「研究」していければと思っています。

興味を持っていただけた方は、どうか、こちら(ototoyサイトの歌詞対訳講座最新情報ページ)をごらんください。

こういった「講座」の常として? 「受講料」はちょっとお高い感じですが、ぼく(伊藤英嗣)の場合、愛知に住んでいるので、現状これらもほとんど交通費等の経費で消えてしまうというか...いや、そんなことは関係ないですね(すみません:汗)。ぼくとしては、とにかく、出していただく料金に見あったものをご提供したい...と、毎回がんばってます!

がんばりすぎて、ぼく自身のトークの内容とかがいつも「濃く」なりすぎているのでは? とか反省してしまうくらいに...(笑)。

概要は上記リンク先に載ってますが、いくつか、そこでは触れきれなかった点を捕捉しておきますね。

毎回「教材」としてお渡ししている約1時間程度の音源が入ったCDRは、もちろん基本的に「特に歌詞がおもしろいと思える曲」をセレクトしたものですが、「研究」が終わったあとは、そのまま移動や日常のBGMとしても楽しんでいただけるものになるよう心がけています。

いわゆる「代表曲を網羅したベスト・アルバム」的なものとは、ちょっとひと味違うというか...。たとえば、第4期の初回は基本「デヴィッド・ボウイの『宇宙』をテーマにした曲を集めたもの」なんですが、あれやこれやそれ(いや、ネタバレになっちゃうんで、とりあえずふせておきます:笑)はもちろんですが、基幹テーマから派生した「よもやま話」のために「参考教材」としていくつか他のアーティストによるカヴァー曲(なかなかレアなもの含む:笑)も入れてみたり...。

あと、第3期までは平日夜の開講だったので、終わったあと、みんなで軽く飲みにいっていろんな話をしたり、数日後にときどき有志(ぼく含む:笑)でカラオケに行ったりしてました。

第4期は土曜の午後~夕方開講ゆえ、そのあと(ライヴに行きたい! という方もいらっしゃるでしょうし、「飲み会嫌い!」「カラオケ嫌い!」という方もいらっしゃるでしょうが...)「普通に飲みに行くか、カラオケに行くかどっちか」という形をデフォルトにしたいと思ってます(笑)。

また、以前このページで、この講座をベースにした電子書籍の企画がある...みたいなことを軽くお伝えしました。それも、ぼくのどたばたのせいで遅れてますが(すみません...)、進んではいます。

というわけで、第3期を講座をとおして集まった歌詞対訳作品の一部を、ずらーっとご紹介。ボブ・ディラン、エコー&ザ・バニーメン、ザ・シンズ、パッション・ピットの曲の、みなさん(伊藤含む)による対訳作品が載ってます。

では、どうぞ!

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オトトイで、ぼく(伊藤英嗣)がおこなっている講座をベースに、歌詞対訳の妙味をお伝えするこのコーナー、久々の更新となります。

というのも、実は(以前もそれをにおわせることをお伝えしましたが)あるレコード・レーベルから「権利関係の問題上、当社から音源をリリースしているものに関しては、このコーナーでとりあげないでほしい」という申し出があったりして...。

それは、納得のいくことではあります。歌詞の権利を持っているのはアーティストであり、それを無許諾で使いつつ「利益」をあげた場合、どう考えても理論的におかしい。ただ、たとえば趣味で、もしくは「評論」(とか「教育」など)のため(特にその一部を)使用/引用する場合は法律的にも認められる。また、歌詞対訳の場合、実は法律で保護されていない(日本における音楽著作権管理会社のもとじめ的存在であるJASRACも、歌詞対訳は管理外ということらしい!)ため、そういった「グレイゾーン」が、かなり大きくなってきます。

にしても、このままウェブで「歌詞対訳1曲まるごとフル・ヴァージョンを発表しつづける」のは、なんとなく(クッキーシーンとしては)気がひける...。

というわけで、このコーナー、これからもなんらかの形でつづけようとは思っていますが、それとは別に新しい企画を考えました!

オトトイ歌詞対訳講座の課題として提出していただいた作品をもとにして、同じオトトイから電子書籍を発行する予定です。2012年4月11日(水)から始まる「第3期」が終わるまでには発行の具体的アナウンスができれば、と思っています!

制作は、クッキーシーン編集部が担当します。ちゃんと調べて必要だった場合、アーティストには適切なパーセンテージをお支払いします。もちろん作品を使用させていただいた受講者のかたにもです(ただ電子書籍は価格が安い、そしてあまり売れるものでもないので「適切なパーセンテージ」ではあっても、とりあえず金額的には本当に驚くほど低い可能性が高いです...。まあ、そういった「システム」を体験していただくのも学習のうち...なのか?:汗)。

オトトイ歌詞対訳講座では、現在第3期の受講生を絶賛募集中です。講義内容としては、たとえば普段ぼくが(かなり断片的に)おこなっている対訳とか英語とかアーティストに関するツイートを、かなり濃密に体系的にまとめたようなもの...になると言えばいいのか...(アバウトな説明で、すみません...)。

興味があられるかたは、こちらをご参照のうえ、是非お申込ください!

その前に、第2期受講生のかたに提出していただいた「課題」のなかから、ぼくがとくに「いい!」と思ったもののうち、「曲を聴かなくとも、日本語の対訳だけ見ても、なんかおもしろいと感じるもの」を厳選しておとどけします(ついでに、ぼく自身の対訳も1曲まぎれこんでいます:笑)。もちろん、その曲を知ってるかたであれば、さらに楽しめるはず。

1「Astronomy Domine」ピンク・フロイド
(対訳:加納由紀子)
2「Harborcoat」R.E.M.
(対訳:澤美佐子)
3「Fall On Me」R.E.M.
(対訳:伊藤英嗣)
4「It's The End Of The World As We Know It (And I Feel Fine)」R.E.M.
(対訳:太田健介)
5「Man On The Moon」R.E.M.
(対訳:西山由里子)
6「Imitation of Life」R.E.M.
(対訳:卯月香名子)
7「Loaded」プライマル・スクリーム
(対訳:松井喜和)
8「Losing My Edge」LCDサウンドシステム
(対訳:太田健介)
9「North American Scum」LCDサウンドシステム
(対訳:小泉幸子)
10「If I Had A Gun」ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ
(対訳:小口瑞恵)

では、どうぞ!

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さて、オトトイの歌詞対訳講座第2期、無事始まりました!

こんな感じで進んでいきます。

まずは60年代。第1期でとりあげた「60年代を代表するバンド」はザ・ビートルズでしたが、第2期はザ・ビーチ・ボーイズ!

ビーチ・ボーイズといえば「スクエア」かつ「軟派」なイメージと、とりわけブライアン・ウィルソン(や亡くなったデニス・ウィルソン)が背負っている「内省的」で「アーティスティック」なイメージの両極端があると思います。ひとによっては前者、ひとによっては後者をより強調したくなるところでしょう(前者にこだわるひとは、もしかしたら後者のことは知らない可能性も?)。

日本には、山下達郎など、その両者をうまく消化したアーティストがいます。解散したフリッパーズ・ギターなんかも...。

最近の洋楽でいえば、ザ・ドラムスなんか、完全にそうですね。ファースト・アルバムが『Pet Sounds』まで(「Surfin' USA」とか歌ってた初期のころ含む)とすれば、今回のセカンドは『Smile』(制作から40年以上たった「初の公式リリース」まで、あと1週間を切りましたね:笑)~『Smiley Smile』っぽい...と言えなくもない。

今回は(「講座第1回」ということもあり、とくに「課題」はお願いしなかったので)ぼく(伊藤)による「Surf's Up」の対訳を紹介します。

これは、もともと『Smile』に入る予定だった曲ですが、結局(同じアルバムに収録されるはずだった別の曲と組みあわせて)70年代初頭のアルバム『Surf's Up』のタイトル曲になりました。

メイン作詞者はヴァン・ダイク・パークス。彼ならではの「アメリカ音楽」史や状況に対する視点(「ビジネス」に対する自嘲的皮肉含む)が、あまりにみごとに反映された歌詞だと思います。

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「Surf's Up」

ダイアモンドのネックレスをポーン(歩兵)代わりに使うチェス
手に手をとって ドラムのビートが聞こえる
堂々とした動きのバトンにあわせて
盲目の上流階級
オペラ・グラスでふりかえったきみは見る
C席のひとたちと流行の趨勢のあいだに勝ち負けは存在しない
途中にコラム...支柱が立ってるから ドミノ倒しは失敗してしまう

町中を調査して 舞台の背景をエアブラシで描こう
眠ってるの?

ぶらさげられたヴェルヴェットがぼくに覆いかぶさる
ほの暗いシャンデリアの光で目を覚ます
夜明けに溶けていくうたにあわせて
音楽ホール ぜいたくなおじぎ
あらゆる音楽は 今その存在価値を喪失している
ミュートされたトランペットの音のような声で自画自賛する歌手によって
途中にコラム...支柱が立ってるから ドミノ倒しは失敗してしまう

町中を調査して 舞台の背景をエアブラシで描こう
寝てるの 寝てるの ブラザー・ジョン?

鳩が塔の巣で羽をやすめている そろそろ
ストリートに水銀のような月が昇る時間だ
車が霧のなかをとおっていく
ランプを手に 二拍子で 倉庫にしまわれた曲を照らそう
「蛍の光」にあわせて大きな笑い声が起こる

グラスをかかげ 炎でよく焼いて
ワインはなみなみと 最後の乾杯であることは隠して
さよならの港で もしくは死を

悲しみに沈む気持ちが首をしめ 心臓が硬化していく ぼくは
信じがたいほどまでに 夢破れた男 泣くにはタフすぎる

サーフィンは終わり
潮流に乗りこもう
全力で向きを変え 合流しよう
若者たち そしてきみがよく与えた泉
ぼくはあの言葉を聞いた
素敵なやつ
子どものうたを

子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
子どもは人類の父である
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
子どもは人間にとってお父さん
これは子どものうた
子どもが歌うのを もう聴いた?
そのうたは愛
子どもはやりかたを知っている
だから 子どもは人間にとってお父さん
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
ナナナナナナ
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
だから 子どもは人間にとってお父さん
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども

(対訳:伊藤英嗣)

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なお、このタイミングで、先ほどまでこのカテゴリーにアップされていた「第1期の第6回(10年代のアーティスト)に関する記事」を、とりさげました。

ちょっといろいろ考えて、よくなかったかな...という部分があったので。

あっ、そこで「課題」の結果を発表していた、小口さん、太田さん、澤さんの対訳内容には、なんら問題ありませんでした! あくまで「権利」とかに関すること。基本、反省してます。だけど、ものすごくややこしい話ゆえ、ここでくわしくは述べません(まあ、機会があったら、また、いつかどこかで:笑)。

この回は、以上です!

2011年10月26日11時34分(HI)

*ツイッターにて、tadd igarashi(@taddihno)さんよりご指摘がありましたが、「surf's up」という単語には、たしかに、サーファーのスラングで「いい波がきた!」みたいな意味があります。そのまま訳すのも、より「皮肉」が強まっておもしろいのですが、ぼくはあえて上記のように訳しています。説明不足、申し訳ありませんでした! tadd igarashiさん、ありがとうございます!【10月26日夜追記】

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 さてさて、いよいよ来週からオトトイ歌詞対訳講座の第2期がはじまります。そんなタイミングで講師であるぼく(伊藤)自身から告知するのも結構遅いとは思うんですが、最近なにかとドタバタで(って、そればっか? すみません...)。

 この対訳講座、だいたいこんな感じで進めていきます。

 まず、ぼくが「テーマ」となるアーティストの曲(10〜14曲くらい)の歌詞(おもにネットで拾ってきたものが多いですが日本盤をぼくが持っているものはそれとつきあわせたり、自分でちゃんと聴きくらべたりして、チェックを入れています)と、その10〜14曲くらいが入ったCDRをお渡しします。

 なお、後者はあくまで「講義の素材」としてお聴きいただくものなので、そのCDRは、次の回にご返却いただきます(リッピング? なんのことだか...:笑)。

 そこから1曲選んで、自らの対訳を「課題」として提出していただきます。しめきりは、講座の1〜2週間前。メールで送っていただきます。

 そのなかで、いいものをいくつかと、ぼく自身による数曲の対訳をお見せしつつ、講座が進みます。1アーティストあたり(最終回をのぞいて)10曲以上を素材にするということは、必然的にそのアーティストの(とくに歌詞をとおして見た)傾向を解説することになります。

 ぼくとしては、毎回新書本1冊の本を書くくらいの内容をこめて進行しているつもりです。講座料金のほうが少々お高い(とはいっても、専門学校や多くのカルチャー・スクールの料金に比べれば決して高くない? どちらにしても、すみません...)けれど「曲が聴けて、(新書1冊くらいの内容の話を)ライヴで楽しめる」と考えていただければ...。

 「ライヴ」なので、当然受講生の方々の「レスポンス」も重要。かなり、わきあいあいと進めてる感じです。

 第2期の「テーマ」予定は以下のとおり。

10月:60年代:The Beach Boys
11月:70年代:Pink Floyd
12月:80年代:R.E.M.
1月:90年代:Primal Scream
2月:00年代:LCD Soundsystem
3月:10年代:Various Artists

 お申込は、こちらから。

 最初に言ったとおり、もうあまり時間がなくて申し訳ありませんが(なにせ、今、ピーター・フック著『ハシエンダ』監修翻訳作業の修羅場にかかってまして...。すみません!:汗)、何卒よろしくお願いします!

*なお、第1回のみ「課題提出」はありません。それをやっていただいている時間がないのと、最初はみなさんのノリを確認したい、ということがありますので。もちろん「復習」用に第1回もCDRはお渡しします!  【10月11日(月)22時追記】

*先ほどアップした内容に誤りがあったので、校正しました(汗)! 先ほど「第1期の『テーマ』予定は以下のとおり」などと書いてあった部分、正しくは(当然)「第2期の『テーマ』予定は以下のとおり」です。しかし、俺、かなり頭へろへろになってるな...。すみませんでした!  【10月12日(火)0時追記】

2011年10月11日21時22分(HI) 

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オトトイの歌詞対訳講座、6月のテーマは「80年代を代表するバンド」トーキング・ヘッズ&ニュー・オーダー、7月は「90年代を代表するバンド」ペイヴメント&オアシスだったんですが、それらは伊藤が(日本盤CDのために)過去おこなった対訳をお見せしつつ、それをもとに進めていきました。

そして8月は、「00年代を代表するバンド」ファウンテインズ・オブ・ウェイン&アークティック・モンキーズ! 意外に見すごされている気もしますが、どちらも歌詞が(歌詞も)最高に素晴らしいんですよね。

「友だちのお母さんに恋しちゃった小学生(くらいの男の子)」について歌った「Stacy's Mom」、全然コーヒー持ってこないデニーズ...いや、ハリーズのバイトに文句たらたらの「Halley's Waitress」(ちなみにこの「店名」、「数十年に一度しか地球に接近しないハレー彗星にかけたもの」だと作者のクリスに以前聞いて、さらに大笑い!)など、ふざけた歌詞もたくさんあります。だけど、どれもどこかピンとくる。妙に共感できる。

そんな歌詞のひとつが、これです!

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「Strapped for Cash」

えっと あれは土曜の夜 キッチンで
スペイン放送のオネエちゃん達を品定めしていたら
ムショがえりのポールから電話がきて
奴は言う なあ よく聞けよ 何か足りないものがあるんだけどな
俺は返す 取り掛かってるところだよ マジで すぐだって
数日中に金はおまえのものさ オーケー?

ちょっと現金がないだけ
深く考えるなよ ベイビー 時間をくれよ
ほんの少し金が足りないだけ
マジに一時的なことだから 心配するなって
現金がないのさ

そういうことで 馬で一儲けしようと西に出向いたのに
馬たち一頭残らず顔からコケやがって
タージマハルでも散々だったさ
ツキの無さとただ酒のせいだな
それで今は身を潜めてる わかるだろ? 目立たないようにしてるのさ
しかし あとどのくらい 奴の電話をかわせるかわかんねぇな

言ってるだろ
ちょっと金がないだけだ
俺が おまえにそんなことするはずないだろ?
現金が足りないのさ
ほんの少しだけ時間をくれよ ちゃんと返すって
なあ
現金がないんだ
金がない

6人組のボディビルダーがフォードのピントに乗ってやってきた
次の瞬間 奴らが窓から乗り込んでくるのがわかる
おまえを待たせるのは嫌なんだ 今は大変な時だってわかるしさ
で VISAとMASTERカードだったらどっちがいい?

というのは 少しばかり現金が足りなくてさ
くつろいでてよ すぐに戻ってくるから
ちょっと金がないだけなんだ
心臓発作おこすほどのことじゃないよ

(対訳:小口瑞恵)

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うう、ひとごとじゃない...(汗)。

そして、アークティック・モンキーズ。講座では、歌詞を通して「彼らの姿勢の特殊性」について研究しましたが、彼らのファースト・アルバムは(アラン・シリトーの小説からタイトルをひっぱってきただけあって)、「ストーリー集」としても絶品!

たとえば「When The Sun Goes Down」は、悪辣な「ポン引き(売春婦のもとじめ)」について歌われたもの。この曲をテーマにした短編映画『Scummy Man』で、それが見事に描かれていました。

ただ、歌詞だけを見ても、それが「ポン引き」について歌われたものだとはっきりわからない...というわけではない!

この歌詞には《And he told Roxanne to put on her red light》という一節があります。「ポップ・ミュージック中毒者」であればご存知のとおり、ポリスに「Roxanne」という曲があります、その曲は「(ロクサーヌという)売春婦に向かって歌いかけている」ものだと言われているんですが、こんな一節で始まっています。《Roxanne, You don't have to put on the red light》。まあ、その曲を知らないと、このフックの意味はわからないんですが...。

セカンド・アルバムでは、デュラン・デュランの「Save A Prayer」の一節を歌いこんだ曲もありましたが、彼らは本当に「ポップ・ミュージックが好き」なんだと思います。よりロックンロール的なノリで。

先述の「姿勢」というのも、結局そういうこと。そして、それをあまりに見事に現したのが「A Certain Romance」。以前インタヴューしたとき、作者のアレックスは、(ファースト・アルバムでは)大抵の曲がなんらかのストーリーを持っているけれど、この曲だけは違ってもっと抽象的...と言っていました。

「A Certain Romance」の冒頭では、こんなことが歌われています。《そいつらはクラシック・リーボックを履いているかもしれない/やたら古いコンヴァースとか/すそのしまったジャージの裾を靴下に入れてるかもね/だけど俺が言いたいのはそんなことじゃない/重要なのは、このあたりにロマンスなんかありはしないってこと》。いかにも「地方都市」という感じの風景ではないでしょうか?

そして、この一節。《やつらに言ってみる?/その気になったら、一晩中やつらに力説してみようか/だけど、やつらは聞きやしない/だって、やつらはもう考えが凝りかたまってるし/ああいうふうにやっていけば まあそれでいい、と思ってるから》。

たとえばストーン・ローゼズの『I Am The Resurrection』、そしてオアシスの『Live Forever』。それぞれ80年代と90年代を代表する名曲ですが、これらには明らかに「やつら対俺たち」という構図が見てとれます。この曲にも、明らかにそれがある。そんな対立項がはっきり現れているのが、次の一節です。《あいつらは本当にどうかしてる/新しい曲があっても、それを「着うた」にすることしか興味がない/シャーロック・ホームズじゃなくてもわかるだろう/だけど俺たちの仲間がいる、このあたりは、ちょっと違うんだよ》。

さらには、こんな一節も...。《そうじゃない!/どうして俺の好きなようにさせてくれないんだ/こんなんじゃ どうしようもない/いやだ、俺はあんなふうには生きたくない!/絶対にいやだ!》

以前は、これを必ずライヴの最後にやって、アンコールなしで去っていった彼ら。限りない共感をこめつつ、涙が出るほどかっこよすぎ! と思います。

この回は、以上です!

2011年11月8日21時28分(修正版アップ)(HI)

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さてさて、前回このコーナーをアップしたのが6月前半だったんですが、それからなんとなくドタバタで、なかなかアップできなくて申し訳ありませんでした。

これは、「伊藤がオトトイでやっている『歌詞対訳講座』の受講生の方々および伊藤による歌詞対訳を発表していく」コーナーです(なお、受講生の方々の対訳は、「課題」として提出してもらったものを、場合によっては伊藤が修正したものとなっています)。

その講座、ビートルズをテーマにした4月につづいて、5月のテーマはロキシー・ミュージック、そして(初期ロキシーの重要なメンバーであった)ブライアン・イーノでした。

ロキシーの歌詞を伊藤が(少しだけ)対訳したものについては、この原稿(昨年のフジ・ロック・レポートおよび今野雄二さん追悼記事)を見ていただくとして、まずは(その原稿でもチラリとふれた)セカンド・アルバム収録曲の歌詞を、どうぞ。

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「In Every Dream Home A Heartache」

どんな夢のような場所にも心の痛みはある
一歩踏み出すたびに
天国の先へと連れて行ってくれる
だけど 天国なんてあるのかな
あると思いたい
生活水準は
毎日あがっている
だけど「素晴らしい家」なんてのは
口さきだけの話になってる

呼び鈴から蛇口まで
小さな町のアパート
コテージもいいね
宮殿のような母屋
ペントハウスがあればなおさらイイな
だけど何が起こってるの?
そこで何をするの?
祈ったほうがいいのかも

将来の計画を開こう
バンガローで農園暮らし
こんな快適な全てが
小粋なものに思えるね
僕は君をメール・オーダーで買った
包装紙みたいな恋人
肌はまるでビニール
完璧な相手
新しい家のプールにキミは浮かんでいて
デラックスに楽しいさ

折りたたみ人形
キミに尽くそう
使い捨ての愛しきキミ
今じゃキミなしじゃいられない
永遠で等身大
僕の息がキミの中に
毎日着飾って
死ぬまで共にいよう
折りたたみの人形
恩知らずなキミ
キミを膨らませるたび
キミは僕の心を吹き飛ばす

ああ この心の痛みよ
夢のような「家」でボロボロになり果てた心

(対訳:草野虹)

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これは「豪邸に住んでいながらダッチワイフ(ご存知ですか?)を買った男」のストーリーなんですが、(この原稿でもふれたとおり)「図式」としては完全に「二次元キャラの抱き枕を買った(わりと金銭的に余裕のある)オタク」と同じ...。そんなノリがよく出てると思いませんか?

つづいて、イーノ脱退後のサード・アルバムから。

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「Amazona」

アマゾナ...
そこは
疑いも
放射性降下物もないところ
 
鏡から飛び出して
見てみたらどうだい?
 
アリゾナから
エルドラドまで
とても長い道程だろう
 
お嬢さん
どうかしたのかい?
知っているよ
たどり着くのが困難なことは
 
ベルタワーからは
虚ろな鐘の音が
だけどスペインの君のお城では
気づいているのかな
 
そして憧れの気持ちは深く
雲はみんな銀の環でふちどられている
そう 楽園は
君のすぐ側にあるんだ
 
アマゾナではすべてが素晴らしい
僕の手を取ってくれないか?
君をそこへ
連れていってあげてもいいよ
 
アマゾナは
目前
もうすぐ見えるよ
 
この旅路も終わり
間もなく到着さ

(対訳:高木タツオ)

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ロキシー・ミュージックは、80年代に入ってからの『Avalon』でその「旅」を終えるんですが、なんというか70年代前半の段階で「もうすぐ終わる」と言いながら、5年以上かかった...みたいな(笑)。

彼らは80年代初頭に「ゴッドファーザー・オブ・ニュー・ウェイヴ」みたいな形で(現役ながら)再評価されるんですが、その真っ最中にこんなシニカルな曲を残しています。

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「Same Old Scene」

何事も永くは続かない
確かだと思ってたことも
オファーがあったから
受けてみる気になっただけ

若者の愛ってのは
意地悪だな
俺は生き続けられるのか
この代わり映えのしないシーンの中で?

もっと身軽だった時には
大切なものなんてあまりなかった
ずっとひどい天気だった
どうにかやり過ごしてきたけど

曲がり角を曲がったら
信じられないよ、
また昔と同じ映画のようだ
頭から離れない

若者の愛ってのは
たちが悪い
代わり映えのしないシーンを
リバイバルしようとしてる

若者の愛ってのは
極端だな
俺らも代わり映えのしない情景に
跳びこむべきなのかも

何事も永くは続かない
確かだと思ってたことも
オファーがあったから
受けてみる気になっただけ

何事も永くは続かない
確かだと思ってたことも
申し出があったから
受けてみる気になっただけ

何事も永くは続かないもんさ

(対訳:冨田展章)

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そして彼らの「旅の終わり」は...。

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「Avalon」

パーティーも終わり
疲れてしまった
そんなとき 君が近づいてくるのがわかった
どこからか
沢山のことが伝わってきた それも一瞬で
話したこともなく 君を知っているわけでもないのに

アヴァロン

サンバが君をつれていくとき
どこからともなく
背景が薄れていき
ピントが合わなくなる
眼に写るものは変わっていくのか?
その瞬間ごとに
そして 君の行きつくべき場所
それを君は知らない

アヴァロン

踊りながら...

ボサノヴァが流れていれば
すべてが解きはなたれる
僕を踊りに導いてくれないか?
それがどこであろうと

アヴァロン

(対訳:赤木孝彰)

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この回の講座では、ブライアン・イーノの歌詞についても研究しました。その成果の一部を、3曲つづけて...。イーノ・ファンの方、是非ご覧ください!

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「The True Wheel」

ぼくらは801
ぼくらは中心軸

きみが有利になるようにここにいる
ぼくらには乗りものがないから
ある種の通りにはある種の曲がり角がある
そのうちぼくらは君の角を曲がる

ぼくらは801
ぼくらは中心軸

かくして2年のあいだ ぼくらは大海原を渡っていた
小さな乗りもので(漕げや漕げや漕げ)
いまぼくらは電話をかけてる
最後の詰めをするために(リンリン)

ぼくらは801
ぼくらは中心軸

ある割合(ア・サートゥン・レイシオ)を探してる
カーペットの下に置きっぱなしのはずだ
ラジオのチャンネルを行ったりきたり
あれあれ今日はなんにもかかってないや
ある割合を探してる
駐車場に止まってるのを見たやつがいるらしい
ラジオのチャンネルを行ったりきたり
あれあれ今日はなんにもかかってないや
ロデオに戻ろう
それそれそれそれそれ行くぞ!

ぼくらはテーブル 船長のテーブル
わかってもらおう わかってもらおう
ぼくらは敗者 ぼくらは航海者
わかってもらおう わかってもらおう
ぼくらは晩餐者 最後の晩餐者
わかってもらおう わかってもらおう
ぼくらのほとんどは鋳掛け屋 なかには仕立て屋も
燭台もあるしカクテルスティックもたくさんある
ぼくらは恋人たちを見た モダンな恋人たち(モダン・ラヴァーズ)を
彼らはイカしてた イカにもって感じだった
ぼくらはご近所さん おせっかいなお隣さん
ぼくらは君と同じように考える 君と同じようにね

(対訳:太田健介)

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「Backwater」

よどんだ水
僕らは瀬戸際の航海に出る
逆流水
喫水線ギリギリに漂って 沿岸水域を浮遊する
君と僕 そしてポーターの娘たち
いったい何ができるってんだ!?
背の小さい娘さんが 死の海域に手をつっこむ
畜生! こんな小舟で何ができるってんだ!?

黒い海
僕たち6人だったのが今や5人
みんなで話しつづける
会話が途切れないように
あるエクアドルの上院議員によると
ペルー南部の丘に墜落した流星を
スペイン人の征服者が発見して献上したら
皇帝はトルコの導師にあげちゃったって

彼の娘
神学者になる予定だ
彼は分裂と境界線について悟らせた
もし君が記号論理と
神秘主義の自己発見を学んだなら
みんながあまり楽しそうじゃないことに
気づくだろう
そんな弾道学にゆだねるには
現実的になりすぎている
ブドウのつるに絡まることも甘んじて受けよう

(対訳:澤美佐子)

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「Spider And I」

スパイダーとぼくは座って空を見ている

音のない世界で

ぼく達はクモの巣をはりめぐらす
たった一匹の小さい蝿を捕らえるために

音のないぼく達の世界のために

朝は眠る

出航する舟を夢みて

1000マイルもはなれて

(対訳:小口瑞恵)

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この回は、以上です!

2011年10月7日9時2分(HI)
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