TVCS Special 1 featuring Alex Lowe from Hurricane #1

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90年代に結成され、すぐさまクリエイション・レコーズを代表するバンドのひとつとなったハリケーン#1。元ライドでありその後オアシスに加入したアンディー・ベル(前者ではギタリスト、後者では基本ベーシストだった)の印象が強いひとが少なくないようだが、これらのバンドすべてを誕生前後から見てきた(聴いてきた)ぼくとしては信じられない。それはちょっとメンバーの「肩書き」にひきずられすぎ? とか言いたくなってしまう。ハリケーン#1は、どう考えても、中心人物アレックス・ロウのヴォーカリストとしての力量に支えられたバンドだろう、昔から。


00年代にリリースされた彼のソロ・アルバムを聴いたときもそう思ったし、昨年リリースされた復活第一弾アルバムでは、アレックスがアンディーと比肩する、もしくはそれ以上のソングライターであることが、はっきりとわかった。そして、つい最近出た最新アルバム『メロディック・レインボウズ』には、そこからさらに一歩ステップ・アップした新しい、もしくはオルナタティヴでチャレンジングな姿勢がばりばりにうかがわれ、たまらなく素晴らしい。昨夜彼らの来日公演を見て、そんな思いを新たにした。


先述のソロ・アルバム、リリース時、彼とは一度電話インタヴューという形で直接話したことはあったが、対面で会ったことはなかった。そのうえ「ジャーナリストとして、かぎられた時間に必要な音楽的会話をする」ことに集中していたので、いわゆる「よもやま話」はできなかった。アレックスがボクシング経験者であることは知っていたが、ぼくも大学生時代、1年間だけやったことがある。体育の選択授業で(笑)。試合に出たこともある。ゼロ勝1敗(笑)。


今回、名古屋得三の楽屋にて、主催バンド、ザ・メイフラワーズのご厚意と、アレックスが上記電話インタヴューを憶えてくれていたことにより、彼とリラックスして話せる機会が持てたので、それを伝えた。彼は、楽しそうに笑いながら、自分のかつての対戦記録も教えてくれた。14勝1分1敗、らしい。「なかなかの記録じゃない?」「グレイトすぎ!」。


さて、今回楽屋に行ったことには、理由がある。


アレックスは一昨年、癌を患った。切開手術の末、バンド活動で極東ツアーができるところまで回復した(わけだがなお、このあとは南米に行くらしい)、それでも約5年間は再発リスクが高まるため、定期検査はつづけねばならない。実は、偶然ぼくの77歳の母親も、アレックスの数ヶ月後に癌の切開手術をしている。そして今、ぼくの尊敬するアーティストふたりが、癌と戦っている。


だから、彼らふたりに対するメッセージがもらいたかった。


ひとりは、かつて何度も取材でお会いしたことがある、ジャパニーズ・ヒップホップの開拓者ECDさん、もうひとりは、お会いしたことはないけれど高校生時代から尊敬してきた、プラスティックスやメロンやメジャー・フォースの中西俊夫さん。


彼らのことをちゃんと説明して、もらうことができた。



これは彼らへのメッセージという形をとっているが、癌と戦っている、すべてのひとたちに対するそれでもある。


ぼくはそう思っている。


2016年11月5日12時55分(HI)

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