December 2014アーカイブ

カインドネス

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KINDNESS


古い新しい問わずに、これまで僕が聴いてきた

音楽を僕の解釈で表現したい


カインドネスの最新アルバム『Otherness』がリリースされたのは、今年10月のこと。先日発表したクッキーシーン・トップ・50・アルバムズ・2014で11位を獲得! というのは大袈裟かもしれないが、聴けば聴くほど味わい深さが増してくる良盤なのは間違いない。詳しくは弊メディア編集長伊藤のレヴューに任せるとして、筆者のインタヴューでは、『Otherness』にあるジャズの側面について掘りさげた。このアルバムのリリースに合わせて多くのインタヴューが公開されたが、ジャズの要素にフォーカスを当てたものは少なかっただけに、そういう意味でも今回のインタヴューは貴重なのではと、我ながら自負している。年末年始のささやかなプレゼントとして、少しでも楽しんでもらえたら幸いだ。


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さて、2014年もそろそろ終わりってことで、今年はぼくらも「編集部が選んだトップ・アルバムズ」を発表させていただきます! スケジュールの都合でぼくはこの座談会には出席できなかったのですが、編集部3人があらかじめリスト・アップしたアルバムから、ああだこうだと意見を交わしながら順位を決めました。


それでは、ジジイ世代の編集長伊藤(50代)と荒ぶる若者近藤(20代)が2014年をふりかえるフリー・トークを不惑の40代犬飼が編集した、対談記事のスタートです。ランキングと併せてお楽しみください!


(犬飼一郎)

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今秋10月から約1ヶ月間にわたり開催された、『レッドブル・ミュージック・アカデミー東京』。さまざまなアーティストが来日し、制作等にまつわるレクチャーやライヴ・パフォーマンスがおこなわれるという、何とも贅沢な1ヶ月だったのは記憶に新しいところでしょう。

そんなレクチャーの様子が収められた映像を、なんとクッキーシーンで独占公開しちゃいます! レクチャーをしてくれるのは、トム・トム・クラブです。

トム・トム・クラブは、トーキング・ヘッズのリズム隊であるティナ・ウェイマスとクリス・フランツが1981年に結成したバンド。もともとはトーキング・ヘッズのサイド・プロジェクトという位置づけでしたが、トーキング・ヘッズ解散後も地道に活動を続け、ポスト・パンク/ニュー・ウェイヴを語るうえで欠かせないバンドのひとつに数えられます。ヒップホップ、レゲエ、ファンクなどを取りいれたキャッチーなポップ・ソングが特徴で、代表曲のひとつ「Genius Of Love」は、マライア・キャリー、2パック、デ・ラ・ソウルなどにサンプリングされています。なので、ヒップホップやR&Bをよく聴く人のほうが、馴染み深いバンドかも?

そして肝心のレクチャーは、トーキング・ヘッズ結成に至るまでの経緯や、その周辺にいたアーティストの名前が次々と飛びだしてくる面白いものです。僕も観ていてテンションが上がってしまいました...。

さてさて、前置きはこのへんにしましょう。それではトム・トム・クラブによるレクチャーをお楽しみください。12月19日〜22日の朝10時ごろまでの限定公開なので、お早めに!

【補足:2014年12月22日10時02分:独占限定リンク期間が終了しました。このサイト上のURLを消去します】

編注:あれ? 字幕が出てこないぞ? と思ったかたは、動画枠の下の方にある「テキスト・マーク」のようなところをクリックしてみてください。そこが「字幕あり/なし」の切替スイッチです。それでも出てこなかったら...ご覧いただいている端末の「仕様」です...。すみません!

2014年12月18日18時00分 (MK)

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2014年12月8日〜12月14日 更新分レヴューです。

BY THE SEA『Endless Days Crystal Sky』
2014年12月8日 更新
MY LETTER『My letter』
2014年12月9日 更新
赤い公園『猛烈リトミック』
2014年12月9日 更新

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 もしかすると、赤い公園というバンドは気分屋なのかもしれない。たとえば、ファースト・アルバム『公園デビュー』に収録された「今更」は、一聴すればメロディーが耳に残るキャッチーなポップ・ソングである。だが同アルバムには、実験的で殺伐とした音像が際立つ「つぶ」みたいな曲も収録されている。そもそも、メジャー・デビュー・ミニ・アルバムにあたる「透明なのか黒なのか」「ランドリーで漂白を」からして、赤い公園が一筋縄ではいかないバンドであることを示していた。圧倒的な勢いとカオスが渦巻いた前者、そして赤い公園の中心人物である津野米咲の高いソングライティング能力が前面に出た後者は、作風が驚くほど違うこともあって、それぞれ "上盤(黒盤)" と "下盤(白盤)" に分けてリリースされた。どうにか1枚にまとめてファースト・アルバムにする手もあったと思うが、赤い公園が持つ膨大なエネルギーと音楽的彩度は、1枚のアルバムという形に収めるのが難しいのも事実。だからこそ筆者は、エネルギッシュな空気で満ちた『公園デビュー』に対して、散漫すぎる印象をぬぐい去ることができなかった。


 しかし本作には、『公園デビュー』で見られた散漫さがない。メンバー全員の演奏スキルが格段に上がり、津野米咲のソングライティング能力もさらに磨きがかかっている。「透明なのか黒なのか」の粗削りな音が好きなリスナーからすれば戸惑う作風かもしれない。だが、考えぬかれたうえで鳴らされた本作の音は、やはり魅力的だ。ひとつひとつの音色もこれまで以上に練られていて、聴くたびに驚きがある。そんな充実したバンドの雰囲気は、その名もズバリ「楽しい」という曲にも表れていると思う。


 また、KREVAをゲストに迎えた「TOKYO HARBOR」は、赤い公園の新たな側面が示された曲として非常に面白いものだ。ヒップホップの要素を滲ませながら、街の一場面を切りとったような歌詞とアーバンな雰囲気を醸すサウンドスケープは、80年代のシティー・ポップを連想させる。筆者からすると、SeihoとAvec AvecによるSugar's Campaignやtofubeatsの名も浮かぶのだが、そうした新世代と共振できるという意味でも興味深い。


 そんなアルバムを最後まで聴きとおすと、本作が "歌" を強く意識したポップス・アルバムであることがわかるはず。"みんなのうた" と言える親しみやすさを備えた曲が多く収められ、そうした内容に呼応したのか、佐藤千明の歌声はその表現力を飛躍的に高め、艶も増している。その歌声は間違いなく、ポップス・アルバムとしての本作をより魅力的にする大事な要素だ。


 本作は、赤い公園がこれまで残してきた作品と比べれば、飛び道具は少ないしカオスも減退している。だが、繰りかえし何度も聴きたくなる味わい深さを持った作品であることは確かだ。その味わい深さは言いかえれば、ボディーブローのようにじわじわリスナーの耳に浸透していき、安易に消費されない強さとも言える。少なくとも、瞬く間に消費され捨てられるインスタント・ポップとは一線を画する。こうした多くの人に届けるための普遍性に挑みつつも、自分たちだけの音を鳴らすことも忘れない姿勢に、筆者は盛大な拍手を送りたい。



(近藤真弥)

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 後期ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを連想させるギター・サウンドはダークさとともに、どこか懐かしいあたたかみを感じる。京都のアート・パンク・バンドmy letterの音楽には、聴くものそれぞれの個人的な思い出に直接つながっていくような不思議な感覚がある。メロディー・ラインの端々に日本情緒を感じるからかもしれないし、少なくとも彼らは単なるUSインディーの後継者ではない。


 「バンド・メンバー共通の音楽的バックボーンは実はあまりない。被ってないっていうのが結構重要で、それぞれ通ってきたものがあって、アイデアを持ち寄るということが凄く大切」。これはギター/ヴォーカルのキヌガサがインタヴューで語った内容だ。この発言から私が感じたのは、様々な影響を取り込み流用しながらも、自分自身の確たる個性を崩さない精神。何かをルーツとしてそれに従属するような存在ではないという意思。穏やかだが強固なステートメント。


 個々の楽曲に言及していくと、冒頭、重々しいハンマー・ビートに愛らしいキーボードが添えられ、ささやくようなヴォーカルに繊細なギターが絡みついていく「アメリカ」は、それぞれの人生という旅の始まりを告げる序曲のようだ。続く「夜は遠くから」はソニック・ユースを連想させるインスト・パートから始まる。単調に刻まれる8ビートにアンニュイなギターが絡み徐々に盛り上がっていく。中盤で加わるヴォーカルは他者を求めながらも離れていかざるをえないもどかしさを歌うが、後半で重なるやわらかな女性コーラスは、そんな矛盾する思いを中和していくようだ。《花は散った》と歌われる「壁」では、くるり「ばらの花」を連想させる淡々とした曲調にコーラスのかけ合いが美しい。くるりは青春の痛み、その美しさを花に例えたのだろうが、この曲でmy letterはその花が散るさまを歌い、最後に《あきらめた花をさかせよう》と誓う。


 ところで、バンド名は日本語だと「私の手紙」と読める。これは、私が書いた誰かへの手紙が宛先不明で戻ってきたのか、それとも個人史を綴った自分宛の手紙なのか、色々と推測できる。Eメールも今は昔、SNSの普及に伴い、世界は格段に狭くなったようで、より小グループ、個々人へと分断された感もある。我々は沢山の他者とコミュニケートしているようで、実は自分自身への手紙を書き続けているのかもしれない。しかし、共有されない個という表現が、逆に密かに広く共有されていくこともありうる。時間的にも空間的にも、点在しながら緩やかにつながっていく個人的な手紙。その宛先はどこでもないし、同時にあらゆる場所なのかもしれない。



(森豊和)

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 まずは、このアルバムのリリース直後に(昔だったら「セカンド・カット・シングル」って感じで)ユーチューブ公開された2曲目「You're The Only One」のヴィデオを観て「おおっ!」と思ってしまった。


 曲自体も素晴らしい、写ってるメンバーたちの様子にも共感が持てた。最近はリリック・ヴィデオ(歌詞が入ってるやつ、ってことね)も珍しいものではなくなってきたとはいえ、それだけじゃない。イントロのギター・コード進行まで「公開」しちゃってる...という! とくに西洋では何世紀もつづく「フォーク・ミュージック」の根底にある「みんなで歌おう、プレイしよう」というD.I.Y.スピリットを、すごくいい形で受けついでいる。


 それがなかったら、今となってはぼくも気づかなかったかもしれないけれど、A(メジャー)7thコードもちゃんと入ってる、っつーね! いや、80年代前半に本国(や欧米の一部)で人気の高かったポスト・パンク一派...日本では90年代以降にネオ・アコースティックなんて呼ばれるようになったバンドたちの特徴のひとつも、メジャー7thコードを多用してることだった。エヴリシング・バット・ザ・ガールのふたりあたりはその典型って感じだったし、アズテック・カメラなんか、たしか歌詞にまで(笑)それを出してた...。


 全体的に言って、ぼくのような(当時を体験した)ジジイは、これ、かなり80年代のUKポスト・パンク・インディーを思いださせるかも? と言いたくなってしまう部分は、たしかにある。どこかサイケデリックな雰囲気もあって、ポップでありつつフォーク・ロック的で、そのものずばりではないけれど、いわゆるシューゲイザーにつながってくる味もなくはない。


 それはUKバンドではなかった(80年代には一時UKに住んでたにしても結成地はオーストラリアだった)し、00年代の再結成時には(当時ぶいぶい言わせてた)USインディー・バンド関係者がバックを務めていたので、まさに無国籍バンドと言ってもいいような、ザ・ゴー・ビトウィーンズに、とてもよく似ている曲まであったりして。


 8曲目「The Stranger Things」なんだけど、これ、シンコペーションを通りこして変拍子っぽく響いてしまうリズム構成も含み、かなり彼らの「Cattle And Cane」っぽい。もし意識していない(いわゆるオマージュではない)とすれば、ここまで似ることってあるのか? というくらいに。


 ただ、もちろんこのアルバム、決して「リヴァイヴァル」っぽくは全然ないどころか、今の空気にジャストすぎるくらい合っている。調べてみたところ、彼らはUKリヴァプール近郊のバンド、ザ・コーラル周辺とも仲がいいようで、それを(たしか)脱退したビル・ライダー・ジョーンズも参加している。でもって、これは(前作が結構評判よかったらしいので)満を持してリリースした、セカンド・オリジナル・アルバムらしい。


 なるほど、リヴァプールか。90年代のそれを代表するバンドのひとつだったザ・ブー・ラドリーズの初期ほどはポスト・パンク・オルタナティヴ色が強くはないけれど、彼らの「爽やかとも言えるポップ・サイド」が好きだったら、これもいけるかな? そして『Endless Days Crystal Sky』というアルバム・タイトル(なんとなく、よっつめの単語はSkiesと複数形にしたほうが語呂がいい気もするんだけど、逆にそうじゃないところが、かっこいい!:笑)における言葉の使い方などは、そう、80年代初頭の同地を代表するバンドだった、エコー&ザ・バニーメンを連想させる...。


 要するに「いい意味で、伝統を継承する」ってのは、こういうことなんじゃないかな。一聴地味に感じるかも(たとえば、でっかいお店の試聴機で聞いたらスルーされちゃうかも?)だけど、実にグレイトなアルバムだと思う。




(伊藤英嗣)


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2014年12月1日〜12月7日更新分レヴューです。

THE 2 BEARS『The Night Is Young』
2014年12月1日 更新

2014年10月

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  • カインドネス

    古い新しい問わずに、これまで僕が聴いてきた音楽を僕の解釈で表現したい

ケロケロボニト

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KERO KERO BONITO


性別で成り立っているムーヴメントは

好きではありません


ガス、ジェイミー、サラの男女3人によるケロケロボニトは、ロンドンを拠点に活動するバンド。ガスとジェイミーがMixb(ミックスビー)というロンドンに住む日本人向けの掲示板でラッパーを募集し、それにサラが返事をしたのがケロケロボニトの始まり。


彼らの存在を知ったのは、バンドキャンプにアップされていたミックス・テープ『Intro Bonito』がきっかけ。キャッチーでキュートなサウンドが際立ちながらも、ダンスホール、グライム、ハウス、テクノ、そしてJ-POPなどなど、実に多様な音楽性が宿っていた。


そんな『Intro Bonito』がこのたび、良質なインディー・ミュージックを数多くカタログに並べているレーベル、ダブル・デニムからリリースされた。それを祝して、というのは少々大袈裟だが、聴きたいこともたくさんあるのでインタヴューを申し込んでみた。答えてくれたのは、ヴォーカルのサラ。日本語も話せるバイリンガルだけあって、日本語で回答してくれるという嬉しいおまけ付き。


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