may.e「REMINDER」(Self Released)

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 やはりというべきか、may.e(メイ・イー)の最新ミニ・アルバム「REMINDER」がリリースされてから、何度も聴いてしまう筆者がいる。『Mattiola』 『私生活』と、作品を重ねるごとに早耳リスナーの間で話題を集めていった彼女。優しいメロディーに、耳馴染みのよい歌声と言葉が多くの人に知られていくのは、may.eの音楽の虜になったひとりとして嬉しい限り。また、シチュエーションによってその響きが変わるのも、may.eの音楽が持つ魅力だ。電車に乗りながらでもいいし、あるいは街を散歩しながらでもいい。may.eの音楽は、どこで聴いても心にスッと寄り添ってくれる。筆者にこうした感覚をもたらしてくれる音楽は、may.eとニュー・オーダーくらいのもの。


 その魅力は、「REMINDER」でも相変わらず。"デモ・ミニ・アルバム" というだけあって、これまでの作品よりも少々ラフな質感が際立っている。とはいえ、それが欠点にならず味となっているのがまた面白い。なんというか、寝そべりながらラジオやレコードを聴いている感じに近い。以前に筆者がおこなったインタヴューでは、「私はキレイにしたいんです」と言っていたが、筆者からすればこれはこれでアリ。喜怒哀楽、そしてこれらにまつわる複雑な機微も喚起するサウンドスケープは、本当に心地よい。もちろん、キレイに録れる環境で作られた作品も楽しみにしているが・・・。


 そして、「REMINDER」を浴びるように聴きながらあらためて思ったのは、may.eの音楽にはアンビエント・ミュージックに近い要素があるということ。アンビエント・ミュージックはブライアン・イーノが提唱した音楽ジャンルであり、リスナーを無理に引き込んだりはせず、むしろリスナーがどれだけ能動的に聴くかで聞こえ方が変わってくる音楽だ。こうした要素がmay.eの音楽にもある。例えば、そこにあって当たりまえな空気のようなもの、もしくは夏の青空に浮かぶいくばくかの白い雲、あるいは森を歩いていると聞こえてくる虫の鳴き声でもいい。言ってしまえば、may.eとはアンビエント・シンガーである。まあ、そんな筆者の戯れ言は放っておくとして、まるで日常の一部であるかのようにmay.eの音楽は存在しているということ。それは、ひとつの曲に膨大な量の音楽的要素や情報を詰めこんだ昨今のJ-POPとは異なるもので、ゆえに彼女がオルタナティヴ的側面を孕むことにも繋がっている。



(近藤真弥)




【編集部注】「REMINDER」はmay.eのバンドキャンプでダウンロードできます。

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