MODEL AEROPLANES「Electricity」(First Run)

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 素敵な女の子に出逢い、全身に電流が走り、一瞬で恋に落ちる。まさにその感覚を2本のギターで表現する。モデル・エアプレーンズのサード・シングル「Electricity」は看板に偽りなしのキラー・チューンだ。


 今月のMusic Alliance Pactをチェックしていて、スコットランドはダンディー発のこの若手4人組ギター・ポッパーを知った。爽やかなギター・リフとベタなメロディー・ライン。なぜだか懐かしさがこみあげて胸が熱くなるデビュー曲「Crazy」のサビの歌詞は「君に首ったけ、君さえいれば全てうまくいく」ときたもんだ。セカンド・シングルは軽快なダンス・チューン、名付けて「Innocent Love」。純愛だなんてタイトル、今どき誰もつけない。でもそれがいい。情熱的なヴォーカルと愉快なコーラス。そのテンションと容赦ないキャッチーさに、不覚にも私はモーニング娘。の「LOVEマシーン」を思い出してしまった。ディスコ歌謡っぽいというか、日本人の大好きなフィーリング。つんく♂はそもそもロック・ミュージシャンだったわけだし。共通項はためらいのないダサさ、気持ちよさ。ポップ・ソングは本来そうあるべきなのだ。


 齢も30歳も過ぎると20歳やそこらの若造の曲なんて、と軽視しそうになる。「年をとらないと人生の苦しみなんて分からないわ!」と、ついつい頭の固いオヤジになって(笑)。それはいけないと反省した。最高のポップスは年齢も経験も超越して響くし、才能と偶然はときにマジックを引き起こす。そのメンバー、その時代がぶつかりあった末のケミストリー。また、フィル・スペクターのビートルズ関係の仕事、あるいはジョー・ミークが後世のロックに与えた遠隔的な影響などを挙げるまでもなく、ロックはガール・ポップと深い関係がある。ザ・スミスだって、スウェードだって、それにアークティック・モンキーズも、オールディーズのような甘酸っぱいメロディーを聴かせてくれる。だからスコットランドのギター・バンドと日本のアイドル・ディスコ歌謡に相似性を見い出したって不思議はないはず。ジャンル的にも、地理的にも、時間的にも、様々な音楽が影響し合い、折衷され今ある形となったのだから。文化は継承される。


 チャイルドフッド、ドラウナーズ、そして彼ら。UKギター・ロックはまだまだ元気で、わくわくするアクトが次々と出てくる。モデル・エアプレーンズはネットにデモ音源を上げてライヴ活動開始後、半年足らずでザ・ヴューの前座を務め、グラストンベリーに次ぐ英国最大規模のフェスティバル、ティー・イン・ザ・パークに出演を果たしたという。今、くすぶっている若いバンドマンもあちこちにデモ・テープをどんどん送ってしまえばいい。行動しなければゼロ。何も始まらない。



(森豊和)

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