NATURE DANGER GANG『THE BEST OF NDG NONSTOP MEGAMIX』(オモチレコード)

|
NATURE DANGER GANG『THE BEST OF NDG NONSTOP MEGAMIX』.jpg

 以前クッキーシーンでもレヴューしたLes ANARCHO(レ・アナーコ)「OKANE WO MOYASOU」を筆頭に、現在の《オモチレコード》は面白い作品を数多くカタログに並べている。こうした《オモチレコード》周辺の音楽やイヴェントに触れると、かつてのナゴム周辺もこんな感じだったのだろうかと想ったりもする。もちろん、88年生まれの筆者は、親にナゴム関連の作品を聴かせられた後追いだから、あくまで想像に過ぎないのだが・・・。ただ、そんな想像をさせるくらいに、現在の《オモチレコード》周辺は面白いというのは本当の話。


 さて、そんな《オモチレコード》が新たに放った刺客こそ、『THE BEST OF NDG NONSTOP MEGAMIX』を発表したNATURE DANGER GANG(ネイチャー・デンジャー・ギャング)である。2013年に結成されたばかりで、今もっとも面白いバンドのひとつ。バンド、と書いてはみたものの、ライヴによって参加メンバーが異なり、正式な構成はいまだハッキリしていない。それでも、瞬く間に観客を驚かせ、熱狂の渦に巻き込むということに変わりはない。全盛期のとんねるずがそうしたように、NATURE DANGER GANGもまた、"演者と受け手(聴き手)"という枠組みを破壊する。珍しいもの観たさで彼らのライヴに行くスカした表情の観客も、彼らの音楽を前にすればその表情を崩すはめになる。ピクリともせずに、終始腕組みしてるだけのインテリ気取りなど吹き飛ばしてしまえ!、と言わんばかりの膨大なエネルギーを彼らは抱えているのだから。


 とはいえ、ただのキワモノバンドではないのもNATURE DANGER GANGの面白いところ。彼らの音楽は実に多くの要素で彩られており、ジュークなどのベース・ミュージックや90年代初頭のレイヴ、それからパンクの精神も窺える。これらが持つ享楽的側面だけを抽出し溶解させた結果、NATURE DANGER GANGのハチャメチャな音楽は生まれる。


 その音楽は、いわゆる"スカム"と呼ばれるものかもしれないが、NATURE DANGER GANGの音楽には "スカム" にありがちな排他的雰囲気がまったくない。本当の意味で、誰もがコミットでき誰もが楽しめる音楽を彼らは鳴らしている。そこに打算的な思惑を持ち込まないのも実に愉快。理性では到底たどり着けない音楽というのは確かに存在するのだ。



(近藤真弥)

retweet