THE FLAMIMG LIPS「Peace Sword」 (Warner Bros)

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 本作「Peace Sword」は、SF映画『エンダーのゲーム』の主題歌を依頼され、どうせなら! とそのまま6曲36分のEPに仕立て上げてしまったという作品だ。宇宙戦争を終わらせる使命を背負った少年が苦難を乗り越え成長していくSF小説にインスパイアされて作ったそうだが、ちょっとまて、彼らの音楽はいつだって、そんな主題を背負っていたじゃないか。


 『The Terror』の日本盤ボーナス・トラック「Sun Blows Up Today」と同様、何かのイメージ・ソングとして作られたがゆえに、リラックスした、彼らの本来のポップな持ち味が出た作品になっている。この世界を生きていくうえでの恐怖を奏でていた『The Terror』とは対照的。私は本作を聴いてちょっと安心したというか、 ダークでシリアスなテーマを掲げることは時に必要だけど、そればかりじゃちょっと息苦しくなる。たかが音楽なのだ。


 ストーン・ローゼス1stのカヴァー・アルバムを作ったり、83年のデモ音源を7インチにして一部のレコード・ショップで販売したりと、彼らの活動はあいかわらずフレンドリーで遊び心に満ちている。非商業的で、とにかく「驚かせたい」「聴いてほしい」という気持ちが伝わってくる。トラック・メイカー達がフリーでネット配信しまくるのと基本的に変わらない。


 本作は随所にクリスマス・ソングを連想させるシンセサイザーのフレーズが挿入されているけど、そういえば彼らはクリスマスや宇宙にちなんだ作品をよく作っている。ウェイン・コインの立ち居振る舞いはまるで地上に降りた神様みたい。彼は空から降りてきて子ども達に音楽を伝えるキリストなのかもしれない。でも、スーパースターでござい! なんていう嫌味ったらしさはまるでない。それがいい。


 なんにせよ、今年も雪が降る。車を走らせていつものように出勤する。フレーミング・リップスの新しいCDをかける。とたんに雪景色は別次元に変わる。みんなフレーミング・リップスは好きかい? 私は大好きだ。



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