SALT CATHEDRAL「Salt Cathedral」(SOPHORI FIELD COMPANY)

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 ニューヨークはブルックリンのバンド、ソルト・カテドラル。SXSW、Northside Festivalなどに出演して注目を集める彼らが契約したレーベルは、rega、Sawagi、チーナが所属している《SOPHORI FIELD COMPANY》。このデビューEPが世界初流通となる。


 ブルックリンといえば、アニマル・コレクティヴやMGMTなど、一筋縄ではいかない個性溢れる音作りとアートワークを際立たせるバンドが多い印象だが、まさしく彼らもそんな感じ。実験的なアプローチで色々な音楽の要素を再結合させて、新しいものを作っていくブルックリンのアーティスト達。彼らのDIY精神、異人種メンバーといった多様性がそれらに大きく作用しているのだろう。


 ソルト・カテドラルは透明感と力強さを兼ね備え、胸をときめくメロディーを奏でる2人組だ(ライブやレコーディングでは、+3人だそう)。初めて聴いた時は、淡々と始まってサビで浮かび上がってくるフワフワとした感覚にクラクラさせられた。2回目は音の重なりと旋律の美しさ、そして意外にもエモーショナルな感じが嬉しくなった。3回目はメロディーと言葉の絶妙な絡み具合に虜になってしまった。


 ポップ感を重視した輝きのあるサウンドの上に浮遊感のあるヴォーカルが転がっていく楽曲が特徴的で、今作には一聴すれば鼻歌ができそうなキュートなメロディーと、全体に漂う精緻なアレンジを併せ持つ全5曲が収められている。ポップとロックとエレクトロの境界線上で実験と発見を繰り返していることもあり、ファンタジックでスケールの大きな物語風の仕上がりになっている。また、フリアナの歌声は時々濡れて時々乾き、微細に姿を変えていく。クリアなその歌声は、グルーヴと共に澄み切った冬の空と同化してどこまでも広がる。そして、そんな彼女の伸びやかなヴォーカルと共に、ヴィジョンを限定しない曖昧さが魅力である彼らの楽曲だが、研ぎ澄まされた感覚と同時に、フラットでリラックスした感触があるのも凄くかっこいい。


 ムームに通じるヨーロピアン風味や、オーガニック、フォークロアといった要素の巧みな導入にも舌を巻くが、そこから生じたものを高潔で生々しく、しかも華やかに聴かせる彼らは才気走っている。ポップ・フィールドに大波を立てること間違いなし。


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