CLNK『Black Ecstasy』(Error Broadcast)

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 ここ数年、ルーマニアのダンス・ミュージック・シーンが盛り上がっている。ペトレ・インスピレスク、ラレッシュ、ラドゥーといったルーマニア勢のトラックが世界中のフロアで鳴り響き、"ルーマニアン・ミニマル"なんてタームも生まれた。特にペトレ・インスピレスクは、ロンドンにある有名クラブ《Fabric》のDJミックス・シリーズ『Fabric』に起用されるなど、文字通り世界トップクラスのDJ/プロデューサーに登り詰めている。


 そのルーマニアが生んだ新たな注目株、それがCNLKだ。モンゴメリー・クランクという名でも知られる男が本作『Black Ecstasy』で示したのは、ベース・ミュージックを基調にアンビエント、テクノ、ドローン、アシッド・ハウスを切り刻んで溶解させたサウンド。ダンス・ミュージックのドラッギーな要素を抽出し純化させた音像が際立ち、一度足を踏み入れたら最後、永遠に眠りから覚めないのではと思わせる酩酊感が終始貫かれている。


 さらに注目すべきは、本作がドイツのレーベル《Error Broadcast》からリリースされたということ。ドイツといえば、世界的な名声を得ている《Ostgut Ton》、それからプリンス・オブ・デンマーク『The Body』のリリースも話題になったカルト・レーベル《Forum》があったりと、いわゆるテクノ大国として知られているが、近年はテック・ベース寄りの作品をリリースする《Dystopian》が注目されるなど、ベース・ミュージックの潮流も出来つつあり、その潮流における中心のひとつが《Error Broadcast》である。そんなレーベルがルーマニア産の、しかもベース・ミュージックの作品をリリースしたことは、2014年のダンス・ミュージック・シーンに興味深い流れをもたらすかもしれない。




(近藤真弥)

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