BLOOD ORANGE『Cupid Deluxe』(Domino)

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 ブラッド・オレンジことデヴ・ハインズが以前やっていた(やはりワン・パーソン・ユニット)ライトスピード・チャンピオンは、本当に大好きだった。ソフト・サイケデリック/フォーク・ロック的なアレンジもさることながら、とにかく身もだえするほどいい"うた"をやる。サウンドのレトロな感触もあいまって、聴いた瞬間「名盤!」と思える...そして実際に聴きこんでしまう2枚のアルバムを残して、彼はまた新しい仮面(ステージ・ネーム)をまとうことにした。


 これは、ブラッド・オレンジと改名して2作目のアルバム。ライトスピード・チャンピオン時代には(先ほど言ったことと表裏一体をなしているのだが)"素晴らしいんだけど濃すぎる"と感じられる面もあった。"日常的に聴きながすには、情報量が多すぎて胃にもたれる"というか。ところが、ブラッド・オレンジは、そのあたりの"残念さ"をうまくクリアしている。


 ライトスピード・チャンピオンとしてのラスト・ミニ・アルバム(もしくはEP。リード・トラックはビーチ・ボーイズ「Till I Die」のカヴァー)「Bye Bye」で既にその傾向はあったものの、ブラッド・オレンジと名乗るようになってから、アレンジがぐっとエレクトロニック/ダブっぽくなった。


 それが、ますますいい味を出している。ほかのアーティストに例えるなら...そう...プリンスとカルチャー・クラブのギャップを埋める存在がヒップホップ/インディーR&Bノリでバック・トゥ・ザ・フューチャー! みたいな?


 ライトスピード・チャンピオン時代は、「こいつ、おかしいんじゃねえ?」と思えるくらいの頻度でブログを更新することで有名だった。最近もそれをやっているのかどうかはわからないけれど、彼は今もかつてと同じくらい...いや、それ以上に「時の人」たちから注目されているようだ。それもあって、ファッショナブルと評されることも少なくない。だけど、このカヴァー・アートは...「お洒落」の対極(笑)! そんな、アンバランスなバランス感覚も、素晴らしい。




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