JOHN LENNON McCULLAGH『North South Divide』(359 Music / Disk Union)

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 あくまで「ぼくにとって」だが、まるでジェイク・バグとザ・ストライプスの「いいところ」を抽出して畑に蒔いたら素敵なものが生えてきた...ってな感じの、とてもフレッシュなアルバム!


 公式サイトによれば、コートニー・ラヴが「ディランよりいい感じでディランっぽいことをやってる、この15歳の子は誰?」と言った。その表現も決しておおげさではないと思う。


 誰もが「えっ?」と思ってしまうこの名前、リアル・ネームらしい。もし彼が日本で育ったら学校でいじめられたりしてたかもしれない。だけど、どうだ! 全然名前負けしてないどころか、それを立派に背負って立つほど見事に成長した...。おとーさんはうれしーよ...(というくらいの年齢なんだよ、正直言って自分は...)。


 このアルバム・タイトル、日本の古株インディー/オルタナティヴ・ファンがぱっと見るとベン・ワットの『North Marine Drive』(83年)を思いだすかも? いや、単に語呂の感じで。意味的には(たとえばアメリカの南北戦争に象徴されるような)「北部と南部の相違」みたいな意味。たしかに、こんなところもディランっぽい...。


 『North Marine Drive』を持ちだしたのは、決して無理やりじゃない。あのアルバムには、ディランのカヴァーも入っていた。しかし、そうとは思えないほどクールに処理されていた。あのアルバム全体に漂う「体感温度の低さ」は、あの時代の最先端だった。そして、今はこの「がさつとも思える熱さ」が、やはり極めて新鮮なのだ。


 そういった意味で、何度か聴いたあと、ラスト・ナンバーがちょっとザ・トリフィッズ(80年代のオージー・オルタナティヴを代表するグレイトなバンドのひとつ。ピクシーズより前にギル・ノートンが手がけていた。わりと「知る人ぞ知る」バンドかと思ってたら、ドミノから00年代にデラックス・エディションが出てびっくり)を思わせる...とか感じてたのだが、どうやら彼は昨年まで家族と一緒にオーストラリアに住んでいたらしい。出身はサウス・ヨークシャー(このファミリー・ネームから、ケルト系であることが推測される)で、今はまたUKに戻ってきた。


 公式サイトに引用された発言を見ると、メルボルン時代に父親に連れられてディランのツアーを観にいった(10日9回のライヴを観たらしい...。それは筋金入りだ:汗&笑)ことを(たぶん)うれしそうに語っている。その体験に、すごく影響を受けたと。グレイトじゃないか!


 本作は、元クリエイション・レコーズ主宰者アラン・マッギーがチェリー・レッド傘下に新しく始めた新レーベル、359ミュージックのアルバム第1弾。「新しい動き」の幕開けにふさわしい、実に気持ちのいい作品だ。






【編集部注】『North South Divide』の国内盤は11月9日リリースです。

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