THE JAPANESE POPSTARS『Disconnect / Reconnect』(Bedrock / Traffic)

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 アンダーワールドやケミカル・ブラザーズ、それからオービタルなど、スタジアムを揺らすことができるダンス・アクトの系譜を受け継ぐバンド。一言で言えば、ザ・ジャパニーズ・ポップスターズとはそういう存在だ。前作『Controlling Your Allegiance』は、ザ・キュアーのロバート・スミス、エディターズのトム・スミスといったヴォーカリストを迎えた多彩なゲスト陣が目を引くアルバムだったが、本作は「Matter Of Time」に参加したグリーン・ヴェルヴェット以外は目立ったゲストもなく、太いボトムと強烈な出音を聴き手にアピールする、ストイックな内容となっている。


 プログレッシヴ・ハウス界で名を馳せるジョン・ディグウィードのレーベル《Bedrock》からのリリースということもあり、「Out Of No Where」などはプログレッシヴ・ハウスの要素を取り入れているが、収録曲のほとんどはスケールの大きさが際立つダンス・ミュージックで占められ、音楽フェスといった野外でこそ本領を発揮しそう。お世辞にも最先端かつ先鋭的とは言えないサウンドながら、クラウドを盛り上げるツボを心得たトラック・メイキングの巧妙さは、ローラン・ガルニエやフランソワ・ケヴォーキアンに気に入られるだけあって、さすがのレベルにある。


 そんな本作を聴いて、アンダーワールド「Born Slippy」やファットボーイ・スリム「The Rockafeller Skank」が席巻した90年代をリアルタイムで過ごした者は、ある種の古臭さ、もっと言えばダサさを感じてしまうかもしれない。だが、ザ・ジャパニーズ・ポップスターズの3人は、そんなことは関係ないとばかりに敬愛するアンダーワールドやケミカル・ブラザーズへ通じるサウンドを鳴らしてみせる。もはや、ダサいかどうかという時代ではないのだ。ザ・ジャパニーズ・ポップスターズは自身の嗜好に従った結果、こんなにも熱狂的なアルバムを完成させることができた。そのあたりのことを、本作に対して距離を置く懐古主義者は考えたほうがいい。



(近藤真弥)

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