carpool「7」(Odoriba Records)

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 瑞々しい爽快感と溢れでる初期衝動が詰まっている。東京は高田馬場を拠点とする6人組バンドcarpool(カープール)の音楽を一言で表せば、そんなところだろうか。本作は彼ら彼女らにとって初の全国流通盤なのだが、まず、その"速さ"に驚かされる。本作に収められたすべての曲が2分台であり、軽快な曲展開もまるで一瞬の出来事のように過ぎ去っていく。鉄琴やキーボードが混じることで、ほんの少しトイ・ポップ的な可愛らしさを覗かせる瞬間もありながら、キャッチーなメロディーに寄り添うギター・サウンドが耳に残る曲の構成は、聴いていて清々しくカッコいい。


 また、ロマンが迸る歌詞にも惹きつけられる。全3曲とも、端から見れば青臭いように思える言葉選びが目立つかもしれないが、そうしたつまらない視線などにかまう必要はない。音楽が持つ魅力のひとつとして、いままで見たことがないよう景色を見せてくれる、いわばスタイルや日常を飛び越えてしまうような圧倒的想像力が挙げられる。それはジャンルを問わずに当てはまるものであり、だからこそ筆者は、音楽には常に夢があってほしいと願っているのだが、おそらくcarpoolも、音楽に夢を見ているのではないかと、本作を聴くと思ってしまう。


 そうした夢見がちな姿は、現在においてナイーヴに映ってしまうのだろうか? いやいや、夢見ることが難しくなりつつある時代に本作のような音楽を鳴らせるからこそ、carpoolのサウンドには強度が宿っている。楽しいことは決して楽ではない。それでもcarpoolは音楽を楽しむかのように、颯爽と歌を紡いでみせる。音楽のポジティヴな可能性を信じている者は気に入るはずだ。



(近藤真弥)

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