MAGIC TOUCH + SAPPHIRE SLOWS「Just Wanna Feel」(100% Silk)

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Magic Touch + Sapphire Slows「Just Wanna Feel」.jpeg

 これはアガる! そして踊れる!!! アイタルとミ・アミを組むマジック・タッチ、《Not Not Fun》や《Big Love》からリリースした作品も高く評価されているサファイア・スロウズがコラボレーションして生まれた作品、それが「Just Wanna Feel」である。


 リリース元が《100% Silk》ということもあり、オールド・スクールなハウス・トラック集となっているが、サファイア・スロウズの魅惑的なヴォーカルが加わることで、多くの人を惹きつけるポップ・ソングの一面も現出させている。


 「Just Wanna Feel」は、かつての《Junior Boy's Own》を思わせる音になっていて、人によっては懐かしさすら抱くであろうアンセム・トラック。イビザの大規模なパーティーで流れてもおかしくない音像と恍惚に満ちたグルーヴは、聴けば聴くほどクセになる享楽性を生みだしている。


 一方の「When I See You」は、憂いを帯びているのが特徴的。こちらも90年代的といえるが、筆者からするもうちょっと遡って、ルイス・A・マルティネーを起用したペット・ショップ・ボーイズ「Domino Dancing」のラテン・テイスト、そしてリズムにはトッド・テリーの跳ねるビートを嗅ぎとることも可能では? と思う。


 とはいえ、これらの"過去"から今でも通じる要素だけを抽出し、それを現在の感性で解釈し接合するあたりは、テン年代のポップ・ミュージックそのものであり、あらゆる音楽にアクセス可能となった今だからこそ必要な"再構築"の好例として興味深いものである。


 その点では文字通り"今"だと言えるのだけど、まあ、そんな難しいことは後まわしにして、フレンチ・タッチの大御所アイ・キューブ(I:Cube)による「Just Wanna Feel」のリミックスや「When I See You(Magic Touch Dub)」も含め、まずは本作に収められた最高のダンス・ミュージックで踊るのが一番だと思います。筆者が言葉で伝えようとすることを、一瞬にして教えてくれるので。




(近藤真弥)

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