GERRY READ『Jummy』(Fourth Wave)

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 BPMやビートの組みたて方など、様々な部分でスタイルがあり、その集合体としてジャンルなんてものがある。しかし最近は、そのジャンルが溶解し、これまで数多くの評論家やアーティストによってあたえられた定義は曖昧になってきている。この曖昧な状況を楽しめるかどうかで、ここ数年の音楽に対する評価が分かれると思うのだけど、《Ramp》のサブ・レーベル《Fourth Wave》から『Jummy』をリリースしたゲリー・リードは、そんな状況の恩恵を受け、楽しんでいるようだ。


 これまでゲリーはベース・ミュージック寄りの音楽を生みだしてきたが、本作ではよりハウス色を強め、《100% Silk》を中心としたインディー・ダンスの潮流に接近している。しかも興味深いのは、インディー・ダンスの多くがシカゴや90年代初頭のハウスから引用しているのに対し、ゲリーはデトロイト側からインディー・ダンスを解釈したような音を鳴らしていて、それゆえ本作は、ムーディーマンなどのデトロイト・ハウスの影がちらついてる。


 とはいえ、インダストリアルに近いザラっとした質感はアンディー・ストットと共振するもので、その点では本作も未踏の地を見据えていると言えなくもない。これは先述のインディー・ダンスに接近した感性も含め、ゲリーの先鋭性を保証するものだ。そんな本作は、"ダンス・ミュージックの最先端"というより、"音楽の最先端"としての斬新さが詰まった1枚である。




(近藤真弥)

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