ペンネンネンネンネン・ネネムズ「フィーガロ フィガロト フィガロット」(Pennennennennen Nenems Records)

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 神ノ口智和(ヴォーカル/ギター)、藤井毅(ヴォーカル/ギター)、林真人(ベース)によるバンド(サポードとして圓山千紘(フルート/キーボード/コーラス)、豊田貴之(ドラム)も参加している)、ペンネンネンネンネン・ネネムズ。なんとも覚えづらい名前・・・いや、覚えづらいからこそ、一度名前を聞いたら覚えてしまうのか。


 バンド名はそんな感じなんですが、彼らの生みだす楽曲は、とても親しみのある覚えやすいもので、これまた一度聴いたら忘れられないメロディーがある。ふわふわとしたドリーミーなサウンドスケープと、ダイナミックなグルーヴが交わる彼らのサウンドはサイケデリックでありながらも、視界は良好、どこか晴れ晴れとした風景を現出させる。現実逃避的ではあるが、ユートピアというより、モヤモヤとした霧を払う"再発見"の音楽。いわば『世にも奇妙な世界』のように、日常に潜む別世界を聴き手に提示する。


 それは抽象度の高い言葉で綴られた歌詞にも表れていて、幻想的世界観に基づいたものでありながら、地に足がついた日常の匂いを随所で漂わせる。「真夜中の虹」「赤い街」といった、"世界の終末感"が顕著に表れている曲も例外ではない。そういえば、ペンネンネンネンネン・ネネムズというバンド名は宮沢賢治の童話から引用したそうだけど、宮沢賢治の作品には、人種や言語の差を超えようとするコスモポリタニズムな空気がある。これをふまえたうえで本作を聴けば、より楽しめると筆者は思う。



(近藤真弥)




【編集部注】本作はJET SET  南池袋ミュージック・オルグ  バンドの公式サイトで購入できます。

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