TRAXMAN『SPIN DA WAX Series Pt.1 The Shape Of JUKE 2 Come』(Booty Tune)

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 たまにジェフ・ミルズのDJプレイを"ゴッドハンド"と形容する人がいるけど、シカゴにもゴッドハンドはいる。それは誰であろうトラックスマンである。本作は、ジューク・オンリー・ミックスCDシリーズ《SPIN DA WAX》の第1弾として、日本のジューク/フットワーク・レーベル《Booty Tune》からリリースされた作品。今年度ベスト・アルバム候補の『Da Mind Of Traxman』で話題を呼んだことも記憶に新しいが、今度はミックスで我々を驚かせようというわけだ。


 『Da Mind Of Traxman』はジュークだけでなく、テクノやハウス、ヒップホップなど各方面から高評価を得た作品だが、それはジューク自体が高い順応性を持っているのはもちろんのこと、トラックスマン自身に豊穣な音楽的背景があるからこその高評価だと思う。本作は、その豊穣な音楽的背景をミックスで楽しむことができる。


 メロウなトラックからフリーキーな声ネタものまで幅広くチョイスし、豊富な経験を駆使して起伏と興奮を生みだす。そしてなにより、それを可能にする懐の深さ。これはシカゴ・ハウスの黎明期を知り、現在のジューク/フットワークの下地を築いたオリジネイターだからこそ可能なのかもしれないが、それ以上に重要なのは、トラックスマンの人柄である。


 トラックスマンほどの経験とテクニックがあれば、聴く者を蹂躙するようなプレイもできるのだろうけど、本作を聴けばわかるように、トラックスマンはすごくサービス精神旺盛で、言ってしまえばエンターテイナーである。もちろん「どうだい?」とドヤ顔を浮かべているであろう瞬間もあるが、それがまったく嫌味になっていない。心の底から「スゴい!」と叫ぶことができる。これは、トラックスマンの器の広さがそうさせるのではないか。思わずニンマリするくらい楽しい本作を聴いていると、そう思えてならないのだ。



(近藤真弥)

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