ミタメカマキリ「デモCDR3」 (Self Released)

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ミタメカマキリ.jpg いま日本のインディー・ミュージックが面白い。まあ、筆者が声高に叫ばなくても、早耳リスナーであるあなたなら既にご存知かもしれないが、そんな日本のインディー・ミュージックのなかでも長野が興味深い動きを見せている。沖に娘あり、洞などを擁する《これレコード》周辺や、確かな演奏技術に根ざした奇天烈ガレージ・サイケを鳴らすベガ星人など、面白い音が続々と生まれている。そして長野にあるライヴハウス《ネオンホール》では、県外で活動するバンド/アーティストをゲストに迎えたイベントが連日開催され、地元の音楽リスナーに面白い音を紹介しつづけている。このように長野では、オーガ・ユー・アスホール(彼らも長野出身)以降と言える状況が出来つつあるようだ。

 その長野から新たに出てきた面白いバンド、それが男女混合の4人組であるミタメカマキリだ。筆者がミタメカマキリを知ったキッカケは、《ネオンホール》で販売されている『にじますとしろくま』というコンピレーション・アルバム。数多くのバンド/アーティストが参加しているなかで、初期XTCやフォールズを想起させるミタメカマキリのポップ・サウンドは一際異彩を放っていた。

 これまでミタメカマキリは「デモCDR1」「デモCDR2」という自主制作盤をリリースしているが、「デモCDR3」ではミタメカマキリの特徴である前のめりなグルーヴと演奏力がまたひとつ上のレベルに達している。さらにキャッチーなメロディーも色気を漂わせるなど、本作はミタメカマキリの進化を示すものとなっている。

 そして、躁状態で突っ走るヴォーカルにも磨きがかかっている。デヴィッド・バーン、アレックス・オンスワースを彷彿とさせるヴォーカルはミタメカマキリにとって大きな武器のひとつだと言えるが、リズミカルに吐き出される焦燥的歌詞と相まって高い中毒性を生み出している。語感の良い言葉とバンド・アンサンブル。このふたつが絶妙に交わるミタメカマキリの音楽は、文字通りクセになる。

 

※本作はライヴ会場とJetSetで販売しています。

 

(近藤真弥)

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