DISCLOSURE「The Face EP」(Greco-Roman)

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DISCLOSURE.jpg  《Moshi Moshi》からリリースされた、ディスクロージャーのデビュー・シングル「Offline Dexterity」のレヴューで筆者は、「圧倒的なセンスが、すべてをOKにしてしまっている」と書いているが、ホット・チップのジョー・ゴダードが主宰する《Greco-Roman》からの新作「The Face EP」は、そのセンスが開花しつつあることを証明している。

 南ロンドン出身のローレンス兄弟によるユニット、ディスクロージャーは、先述の「Offline Dexterity」でメディアから高評価を受け、リスナーやフロアも、ダブステップとUKガラージとインディー・ミュージックを繋ぐクロスオーヴァー性を好意的に受け止めた。イギリスでは「Offline Dexterity」をジュークとして捉える人も居て、ジュークのフォーラムでも、ディスクロージャーの名を頻繁に見かけるようになった(「Offline Dexterity」以降は、シングルのリリースを重ねるごとにUKガラージ色を強く打ち出し、ジューク色は薄くなっていく)。

 本作は、従来のUKガラージ路線を残しつつも、ビートに関してはシンプルな4つ打ちをフィーチャーしたハウス・トラックが収録されている。そして、全4曲中2曲にヴォーカルが参加していることからも、本作においてディスクロージャーが"歌"を意識したのは明白だ。フェイスブックといったSNSを中心に支持を集めていくなかで、ディスクロージャーはジャンル同士だけでなく、人と人、つまりポップ・フィールドとダンスフロアを繋ぐ架け橋になろうと思い立ったのかもしれない。そう考えれば、本作のポップな方向性には頷ける。

 とはいえ、《Data Transmission》のポッドキャストにおいて披露した、マウント・キンビーにラリー・ハード、そしてQティップやフローティング・ポインツを跨ぐ大胆な横断性は失わずにいてほしい。そうすれば、ホット・チップと同等、もしくはそれ以上に重要な存在となれるだけの才能を、ディスクロージャーは開花させることになるはず。

 

(近藤真弥)

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