LLLL「LLLL」(Self Released)

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LLLL.jpg 本稿を書くにあたっていろいろ調べてみたのだけど、どうやらLLLLは東京を拠点とするデュオらしいのだが、それ以外は一切の詳細が不明というミステリアスぶりである。ちなみにバンド名は、「視覚的に決めた名前ですので、"フォーエル"もしくは"エルエルエルエル"とで、まだ決めかねています」と、ツイッターで本人とやり取りした際に教えてもらいました。まあ、それはともかく、本作をバンドキャンプで発見したとき、記号のようなバンド名に目がいったのは言うまでもない。

 本作はLLLLのデビューEPにあたるが、《The Fader》に取り上げられるなど、早くも話題になりつつある。そんな本作をマイ・ブラッディー・ヴァレンタインに例える声もあれば、最近注目のトリルウェイヴと呼ぶ声もあるが、マイブラやトリルウェイヴ、そのどれもが本作にはあるし、他にも様々な音楽的要素が混在している。

 トランシーな音像、そしてサイケゴシックな雰囲気というのは本作のカラーを決定づけているが、グルーヴはベース/ビート・ミュージック以降を感じさせるし、ディレイとリバーブは明らかにチルウェイヴを通過したものだ。しかし一方で、シンセ・リフとウィスパーな女性ヴォーカルの絡み方は90年代のアニソンを思わせる。ちなみに筆者は本作を聴いて、アニメ『天空のエスカフローネ』の世界観が、一瞬だけだが頭によぎった。メタリックな質感を持つパッド音は近年のJ-POPやゲーム音楽に近いものだし、"日本ならでは"の要素が随所で窺えるのも面白い。そしてこの多面的な音楽性は間違いなく、日本のインディー・ミュージックにもポスト・インターネット的感覚が存在する証左となっている。

 

(近藤真弥)

 

※本作はLLLLのバンドキャンプからダウンロードできます。

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