GIARDINI DI MIRO『Good Luck』(City Centre Offices)

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Good luck.jpg イタリアのインディー・ロックを代表するジャルディーニ・ディ・ミロが4枚目のフル・アルバムをリリース。エレクトロニクスやオーケストレーションを派手に導入した2008年の『Dividing Opinions』と、サウンド・トラックとして制作された2009年の『Il Fuoco』とを経て到達した本盤は、紛れもなく痛快なギター・ロックに化けている。上記の2作に漂っていた壮大かつ不穏なアンビエントは削がれ、一転してミニマルな楽曲が光り、"引き算のロック"のぎらりとした魅力を存分に発揮している。ポスト・ロックやスロウコアの文脈でばかり語られるのは、とても勿体ない。

 ギターの硬質なトーンやフレージング、演奏技術の高さ、楽曲の複雑な構成はポスト・ロックを想起させ、不穏さを纏ったアルペジオと、緩やかに広がっていく空間系エフェクト、ルッチーニのロウなヴォーカルはスロウコアを体感せずにはいられない。本盤はそれに加えて、ギター・ロックの持つダイナミックさを兼ね備えているのが最大の魅力である。ストレートな8ビートにバッキングとコーラスが乗っかり、ベースはルート音をタフに弾き続けている「Time On Time」や「Ride」の不思議な疾走感なんてとにかく最高だ。そう思えば、深く歪むギターとダークなアルペジオが対照的な「Flat Heart Society」は前作までの延長線上のようであり、6分の楽曲にこれでもかと多様な展開を織り交ぜていることには唸らせられてしまった。技巧派のイメージが強かったジャルディーニ・ディ・ミロだが、これはちょっと認識を改めなければいけない。ライヴが観たい!

 

(楓屋)

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