PASCAL PINON「Partywolves」(Violet And Claire)

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PASCAL PINON.jpg アイスランドはレイキャビク出身である双子のアコースティック・デュオ、パスカル・ピノンによる5曲入りの記念盤が、3月末から始まる日本ツアーに先駆けて、日本限定でEPとしてリリースされた。今年リリース予定である新作の内、先行として2曲が収録されている。他の3曲は再録曲とセルフ・リメイクであり、真新しさはないものの、限られた10代の青写真を切り取っているようで、これはこれで素敵である。

 彼女らの意識していないところで少女性とティーンエイジャーが売りになった以上、リスナーの一人として、今は沢山のソングライティングを重ねて欲しい。マイク一本で制作された素朴でいなたいファースト・アルバムは、《Morr Music》にて一躍に脚光を浴び、"北欧""十代""双子の姉妹"という看板こそ輝かしかったものの、そもそものメロディがとても良かった。このEPに収録された先行の2曲も、とても10代とは思えない早熟なセンスであり、小さな編成による"引き算の音楽"の妙が醸し出されている。

 10代の幼さは儚くも脆い。「彗星の如く」と彼女らを表していたサイトがあったが、確かに忽然とフェード・アウトしそうな、もしくはヴァシュティ・バニヤンのように30年以上沈黙を貫きそうな危うさがある。それもまた、少女性の放つ魅力である。ブリティッシュ・フォークよりも温かく、シンプルなアコギのフレーズと、左右から聴こえて来るユニゾンのヴォーカルが心地良い。リアル・タイムで彼女達の音楽を聴かないのは、きっと損だ。

 

(楓屋)

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