MADEGG「Teach」(Flau)

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Madegg「Teach」.jpg 《Flau》と契約し、5月にはアルバムをリリースする予定であるマッドエッグのベスト盤的EP「Teach」。本作は《Flau》からの3ヶ月連続リリースの第1弾だそうで、1週間限定のフリー・ダウンロードとしてリリースされている。なので、あと1日で終了というなんともギリギリなタイミングでのレビュー掲載となってしまったが、後日iTunesでも配信されるそうだし、その際の参考として本稿を読んでもらえれば幸いだ。

 ちなみに本作は、マッドエッグが2009年から2011年にかけて制作した楽曲を、《Modern Love》からのリリースで知られるデムダイク・ステアのマイルス・ワイテカーがマスタリングしたという代物。過去のEPから選曲された曲がほとんどのため、いままでマッドエッグの音楽に触れたことがない人に向けた作品かもしれないが、バンドキャンプで配信されていたEP群は現在入手不可となっているため、過去の曲群がコンパイルされているだけでも貴重だし、なにより、マイルス・ワイテカーの仕事ぶりを確認できるという点も、本作の価値を高めている。

 しかし、こうしてあらためてマッドエッグの音楽を聴いてみると、実に様々な音楽的要素が混在していることがわかる。ドローンにアンビエント、そしてLAのビート・ミュージックと共振するグルーヴなど、挙げていけばキリがないほどだ。強いて言うなら"エレクトロニカ"かもしれないが、単一的タグで定義するには、マッドエッグの音楽はあまりにも壮大すぎる。

 そして、聴き手の心をくすぐる心地良い想像力を内包する音楽は、決して内省的なものではないし、実験的ではあるものの、なにかを拒むような小難しさもない。むしろ可愛らしいくらいで、何度も聴いているうちに愛着が湧いてきてしまう。同時に「カッコいい!」と言えるクールネスも存在していて、ある種の色気すらある。そんなマッドエッグの音楽には、聴き手の心を解き放つような魔力が存在する。

 と、ここまでいろいろ書いてはみたものの、マッドエッグの音楽を言葉で表現するのは難しい。だが、それでいいと思う。そもそも音楽って、言葉にできない"ナニカ"を表現するものだと思うから。そういう意味では、マッドエッグの鳴らす音楽は限りなく"原初的音楽"に近いのかもしれない。言葉ではなく、心と心がゼロ距離で交わるような音楽。そんなマッドエッグの音楽に、足を踏み入れてみてはいかがだろうか?

 

(近藤真弥)

 

※本作は《Flau》のバンドキャンプからダウンロードできる。

 

 

 

 

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