リョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウェットランド

|
RYO HAMAMOTO & THE WETLAND

湿地帯には魚もいれば鳥もいるし
複雑多様な生態系がありますよね


'00年代から良質なUSインディー・ミュージックを中心にリリースをつづけてきたアンド・レコーズから、ファースト・アルバムをリリースするリョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウェットランド。その作品を聴いて、ぼくは深く感動しつつ、ちょっと妙な感慨にとらわれてしまった。それで猛烈に興味をひかれ、インタヴューを敢行させてもらうことにした。

すでにアラフィフの域に達しているぼくが彼らの音楽を聴いて、まず思いだしたのは、たとえばR.E.M.やニール・ヤング...。もちろん、彼らの音楽には実にさまざまな要素が内包されているのだが、'00年代の「USインディー」界隈では、尊敬はされていたかもしれないけれど、決してスーパー・クールではなかったアーティストたちの名前がぱっと頭に浮かんでしまった...。また、リョウ・ハマモトの"うた"からは、たぶん彼自身も知らないような(だから、とりあえず今回のメール・インタヴューでは、そのことについてはふれなかったけれど)70年代の優れた日本のシンガーにつながるものを感じたり...。

時代がひとまわりしたというか、「直前の過去」とは違う、新しい世代を見るような気がする。

ハマモトは、3月2日(金)から始まるオーウェンことマイク・キンセラのジャパン・ツアーに(その初日以外の4ヶ所は)同行して、ライヴを披露してくれる。新しい世代とか言いつつ(笑)、いや、それも似合うぞ...という意味で、そのツアー中に、彼とマイクの対談をおこなう予定だ。無事できたら、またここで発表します!

そんな彼の、メールによるものとは思えない(?)ロング・インタヴューを、おとどけします。じっくりご覧いただければさいわいです!

2012_02_Ryo Hamamoto_A1.jpg

アルバム『Ryo Hamamoto & The Wetland』、素晴らしいです! ギター、ベース、ドラムスを中心とした楽器類が紡ぎだすナチュラルなグルーヴ、芳醇なメロディー、日常と地続きの言葉...。なんともたまらない"うた"の数々に、胸を打たれました。これはリョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウエットランドのファースト・アルバムですが、ハマモトさんは5年前にソロ・アルバムを発表してからこのバンドでライヴをくりかえしてきたり、モールスのメンバーとなったり、さまざまな経験をつまれてきたと思います。これは、そういったものの集大成と考えていいのでしょうか?

リョウ・ハマモト(以下R):ありがとうございます。やっと思い描いてたものが作れた、っていう気持ちはあります。自分で集大成と言ってしまうとちょっと大仰ですが、ずっと昔からあった曲や、自分でふるいにかけた上で残ってきた曲を、少しずつ演奏技術を磨いていった結果レコーディングしたわけですから、やっぱり集大成なんだと思います。完成形ではないですけれど。でも、ずっとずっと前から、それこそ始めた頃から一回作っておかなきゃなきゃいけない、と思ってた作品をようやく作った、という気はしています。もちろんもう少し時間が経てば、まだまだ納得いかない、って気持ちにどうせなるんでしょうけどね。
 今回ドラムを叩いてる神谷洵平君とは、一時期集中的にドラムとエレキのデュオっていう編成でライブを重ねたこともあって、そのおかげで僕自身は以前よりは上達したと思うし、いざレコーディングする時にその経験はお互い活かされていると思います。元々彼は演奏はうまかったし演奏に対する意識も高い。しかも方々ですごい人たちと演奏しているから、それもきっと今回のレコーディング活かされているはずです。ありがたいことですね。
 ベースの渡部牧人君...彼は自分主導のユニット、パドック(Padok)っていうのをやってて、それもすごいです...との付き合い自体はすごく長いのですが、ベースで参加してくれるようになったのは神谷君の後で、そこからまた演奏力を皆で磨いていったって感じですね。しかもベースだけじゃなくプロデューサー的な役割も大きい。ギターもちょっと弾いてくれたり。信頼しているので一緒にああだこうだやりながらレコーディングしました。
 そもそも僕は一人で活動を開始して、皆もそれぞれ自分の活動を行なっているというユニットですから、いわゆるがっちりした"バンド"とは活動の仕方も演奏の仕方もちょっと違います。その分、時間はかかりますが、入念にできた。
 モールスに加入したことも間違いなく大きいと思います。一緒に演奏しだしたのは2年前くらいなんですが、それからはずっと一緒にライブやってツアー行って、昨年からはメンバーってことになりまして。今となっては当たり前のように一員として参加してますが、昔から知ってるし、すごく見上げてたバンドだし、思い入れもあるし、改めて考えると不思議な気がします。
 音楽的な降り幅の大きいバンドなので、その中でギターに専念して思いっきり弾けることは僕にとって重要だし、いろんなタイプの演奏ができるのでそもそも楽しい。一ギタリストとして参加するのはあまりにも久しぶりなので最初はいろいろこねくり回しましたが、最近徐々にうまくやれるようになってきた気がしてます。それに、僕が参加し始めてからできた曲も結構あるので、作品に向けて準備してるところです。あと、今更僕が言うのもなんですが(笑)、もっともっと幅広く聞かれるべきバンドだと思ってます。

レコーディング開始から完成まで1年近くかかったそうですね。それだけの時間をかけた内容になっていると思います。今、制作をふりかえってみて、いかがですか?

R:レコーディングを始めた昨年2月当初は短時間でやるつもりだったんですが、止めたんです。理由はいろいろですが、ならばいっそ時間をかけて録音しようと思い直してベーシック以外はじっくりレコーディングしました。アレンジを前もって作り込んでおいて、っていうよりもレコーディングしながらどんどんアイデアを重ねてイメージに近づけてゆくやり方なんですけど、それが納得いくまでできた。みんな忙しい合間縫っての作業でしたけど、やれるだけのことはやれた。
 その後のミックスにも時間をかけてもらいましたね。渡部君とは音のウマというかイメージが合うらしいので、まず彼にやってもらって、さらには岩谷啓士郎君にもお願いしたら音がまたギュッて締まった。二人で2段階の合同ミックスっていう、ちょっと新しいというか、変則的な行程を踏むことになったのですが、そうやってもらった甲斐がありました。これから流行るんじゃないですかね、って言うのは冗談ですけど、散々わがままきいてもらった(笑)。感謝してます。

2012_02_Ryo Hamamoto_A2.jpg1曲目「Dark Clouds Rushing By」の冒頭でハマモトさんのギター1本をバックにした歌唱が1分40秒ほど続いたあとで、バンドの演奏が入ってくる部分の開放感に、まずやられました。歌詞カードをまだ拝見していないので詳しいことはわからないのですが、曲名とはうらはらに、まるで青空がぱっと広がっていくような...。こんな感想について、どう思いますか?

R:"陽の光に、雨雲が追いやられてゆく"っていう一節が(歌詞に)あるので、きっとそうゆうことなんでしょう。僕もそうゆうイメージでした。

この曲だけ英語詞で、あとはすべて基本的に日本語詞となっています。こんな構成にしたのはなぜ?

R:冒頭にした理由は、単純に曲の内容や音楽的な理由です。ものすごい古い曲で、自分のためなのか誰のためなのか、何のためなのか最早分かんないですけど、とにかく呆れるくらい晴れ晴れしい曲を作ってやりたかった。で、それはもう最初に言ってしまいたかったので最初にしました。
 そもそも英語で書き始めたので最後まで英語で書いたってだけですが、英語で人格形成されてる部分もあるし、英語で歌うことも僕にとっては重要なんです。だからむしろ、曲順を決めるときに英語だからどうの、ということはそこまで考えなかったんですが、途中で英語の曲が突然出てくるよりは冒頭にしといて結果的に良かったと思ってます。今後は英語の曲は減りそうな気もしますけど。
 ちなみにコーラスワークは渡部君が主。あとカヨコ(kayoko)さんっていう長い友人が歌ってます(「Sally Lee」でも歌ってます)。前々からコーラスやってほしいと思ってたんです。

ウェットランドというバンド名には、多湿な日本の風土という意味もあるのかな? とか考えつつ、それとはまったく異なる、スワンプ→バイユー→アメリカ南部を思いだしたりもしました。あなたがたは、この言葉をどのようにとらえていますか?

R:直訳すれば湿地帯、で、湿地帯には魚もいれば鳥もいるし、複雑多様な生態系がありますよね。どんな生き物が潜んでいるか分からない。多様性っていうのが大事で。一本筋さえ通ってればどんなことやってもいいんだ、っていう自分に対しての言い聞かせもあります。あと、僕よく手に汗かくんです。
 あと、全体的に(音楽的に)そんなウェットではないと思うんですが、ウェットランドって言ってみたら皮肉っぽくて良いかな、っていう誰にもわからないであろう内輪のジョークです。

2曲目「Sleep Walker」、3曲目「汗とシーツ」、そして4曲目「Sally Lee」の演奏から、なんとなく、クレイジー・ホースと一緒にやっているときのニール・ヤングを連想してしまいました。いかがでしょう?

R:もちろん大好きです。"& The Wetland"って付けたのはクレイジー・ホースやトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズへのオマージュも、あったとかなかったとか。あんな良いものではないですけど(笑)。
 これらの曲は全て演奏のノリとか勢いが大事だと思っていたので、ドラムとベースとギターをせーのでレコーディングしました。

リョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウエットランドの音楽には、どこかいい意味での人なつっこさがあると思います。アルバムのなかで最も陽性なメロディーを持つ「Sally Lee」には、そんな魅力が集約されているのではないでしょうか。あなたがたにとって、この曲はどんな位置づけにありますか?

R:僕自身は、明るくも、暗くもある曲だと思っています。演奏の仕方や聞き方で変わるだろうし。
 例えば、"ずっと側にいるよ"みたいな言い方って、その言葉だけをとると、形骸化しすぎているしこれほど嘘なものってない。その逆の方がむしろ本当で。でも誰しもが、自分なりのやり方を見つけて言わなきゃ行けない時がくるでしょう?誰かがどこか遠くへ行ってしまったりとか、離れていざるを得なかったり。だから自分なりの言い方の一つ、ってとこもあるのかな、と思います。
 人それぞれ事情がある、ってこととか、それに今更言うことでもないですけど、全ての人がいつでも共感ばかりを求めてるわけではないですよね。「わかるわかるー」みたいなリアクションって場合によっては根本的に間違っていますが、そういうのって結構横行しているでしょう。そうじゃないやりかたをしたかったんです。言葉にして説明するとやっぱり面倒だしいろいろ取りこぼしたり誇張されてしまうけど、曲のノリはしれッとした感じにできてて、気に入ってます。
 ちなみにもう一本ギター弾いてるのはエンジニアとミックスもやってくれた岩谷君。余談ですけど実は最初"Sally Lee"じゃなくて"サリエリ"でした。昔の作曲家の。

2012_02_Ryo Hamamoto_A3.jpg

アルバムの折りかえし地点である5曲目「Sweet Sweet Sweet」と6曲目「Short Piece No.3」は、前者が1分台、後者が1分以下という、異色のショート・ナンバーになっています。パンキッシュな勢いのある前者からワイアーのアルバム『Pink Flag』を思いだしたり、曲名がダムドの「Neat Neat Neat」っぽいな...と思ったり(笑)。タイトルどおりのギター小品である後者からは(フェアポート・コンヴェンションの)リチャード・トンプソンや(ガスタ・デル・ソルの)デヴィッド・グラブスを思いだしたり...。いかがでしょう?

R:タイトル付ける時にダムドはもちろん頭の隅にありましたね(笑)。ふと口にしてみたら同じだしバカバカしかったのでタイトルにしました。
 "Sweet sweet"って重ねて言う言い方ってあるじゃないですか。とにかく綺麗で素敵!っていう。「Neat Neat Neat」もそういうことですよね。
 トピカルにしすぎないまま、でも身に覚えのある人間が聞いたら一瞬えっ、て肝を冷やすような曲にしたかったんです。この曲が具体的に人に対して言ってるのか、ある種の状況に対してなのかは聞いた人次第ですが、許せないものは許せない、ムカつくもんはムカつく、って言うことの方が大事な場合もある、ってことです。当たり前ですけど割と難しい。自分に釘を刺す意味もあります。気をつけろよオレ、みたいな。
「Short Piece No.3」は、気がついたらできてました。ああいうの時々出てくるんです。トラッドっていうかケルトっぽいというか、そういう景色が自分の中に動かし難くある。
 割と多くのミュージシャンもそうなんでしょうけど、メタリックでジャンクなバックグラウンドと、アコースティックなバックグラウンドっていう矛盾が僕にはやっぱりあって、でもそのまま出しちゃえって感じで曲順も並びにしました。A面B面のくぎりという意味もあります。
 D.グラブスのソロはあまり知らないんですが、リチャード・トンプソンはすごいですよね。ソングライターとしてもギタープレイヤーとしても、アコギもエレキも別格にすごい。バンドサウンドとしても本当にいい。特に『I Want To See The Bright Lights Tonight』は何度も何度も聞いたアルバムですし、昨年のアルバムも最高でした。きっと知らない間に影響受けてるはずです。そんなこと言うのもおそれ多いのですが。

「Short Piece No.3」と、7曲目「雪の坂道」そして8曲目「Feathers」のギター・プレイは「クリスタルのように透明かつ硬質」と表現できるようなタイプのものだと思います...が、こんな抽象的な言い方ではなく、ギタリストであるハマモトさんご本人が、この3曲のギター・プレイについて具体的に述べるとしたら?

R:コードや音の運び方に関してはこの3曲と、「汗とシーツ」も自分らしい弾き方だと思います。アルペジオやオープンコードが生理的にしっくりくる。ある種の和音が好きみたいです。そう言う意味では「雪の坂道」には僕のギター・スタイルのあれこれが割と分かり易く集約されているかも知れませんね。
 どっぷりカントリーどっぷりブルースとかも好きは好きなんですけど、いざ自分がギターを弾くとそうならず、ちょっと冷たいというか、キラキラした感じになるみたいです。鋭い線みたいなイメージや、氷みたいなイメージです。結局抽象的な回答にしかなってないですけど(笑)すいません。

ハマモトさんが、ギタリストとして最も影響を受けた人を挙げるとしたら?
 
R:自分の好きなメロディをシンプルにでっかく出すことが大事、っていう意味ではダイナソーのJ。
 ジミー・ペイジはトラッドものへの入り口にもなったし、エレキもアコギもなんだかんだ影響デカイはずです。
 あと、昔ラファエル・トラルって人が出したアルバムは妙に好きでした。ギターを解体する、みたいな。ずっとモワーっていってるアルバム。あとは(テレヴィジョンの)トム・ヴァーレインとか。最近も日本海外問わず面白い人いっぱい出てきてますよね。
 でもそもそも誰かのプレイを細部までコピーするというよりは、メロディだったりリフだったりが頭で鳴ってるまんま、体任せに弾いてきたように思います。多分元々好きなメロディや音運びがあって、それを弾けるように少しずつ幅を広げていっているんです。適当、ってのを言い換えただけのようですけど、考えてないわけではないんです。自分の中にないフレーズは弾けないし。
 好きなギタリストはいっぱいいて、自分ではそこまで自己分析しないですけど、なにかしら筋は通ってるはずです。
 いずれにせよもっと思いどおり弾けるようになりたい。きりがないですね。

2012_02_Ryo Hamamoto_A4.jpg

子ども時代の記憶につながるような「雪の坂道」ファースト・ヴァースの歌詞は、すごく印象的です。そして、この曲のエンディングの歌詞は《Not coming home》? それとも《Now coming home》? すごく気になるのですが...。

R:《Not coming home》です。
 多分誰でも最後には帰る場所みたいなものを求めているんでしょうけど、元いた場所からどんどん遠くへ向かわなければ、そこへはたどり着かない。できるだけ遠くへ行こうとしなければ分からない。そもそもいつ死ぬか分かんないし...っていうごく当たり前のことをたとえ話みたいにして、ごくシンプルな情景にできたら、と。
 Homeって言葉自体そもそも物理的な場所を意味しているわけじゃないですしね。《Now Coming home》でも意味は一緒に見えるけど、それだと遠くへ行く"後ろめたさ"みたいなものがないからやっぱり違う。そもそも帰れないし、いつまでも後ろめたさは変らないし、時にはいろんなものを振り切ることも必要。だから《Not coming home》と言ってしまったら、すごく気持ちが楽になった。
 昔から"雪の積もった坂を、なす術なく堕ちていってしまう"、って言うイメージがずっとあるんですけど、それに対する落とし前と、いくらかの賛美です。

そして「The Last Day At The Disco (For A Friend)」。アルバムのラストをしめくくるのにふさわしい! この曲だけ突然ディスコ・ナンバーになったりするわけではなく(そういえば、ニール・ヤングにも『Mirror Ball』というアルバムがありましたね:笑)そこでの情景が歌いこまれていつつ、曲調はこれまでのアルバムの流れどおり...という姿勢がかっこいいと思いますし、《まだ、やれることがあるんだってさ...》という最後の一節が胸にしみます。この曲は、どのように生まれたのでしょうか?

R:昔、当時DJをやっていた友人によくただでクラブに入れてもらって、そこでいろんな音楽聞いていたんです。あんまり行くとこなかったんでしょうね(笑)。でも、そこではありとあらゆる音楽がかかっていて、それが僕にとっては新鮮で、遊びにいってはひたすら踊ってた。時にはライブやったりもして。今振り返れば一つの季節だったんですね。でも、そのあとそれぞれ新しい何かを始めなければならなかったし、まあ、なんにせよ終わる。
 じゃあ、あの空間での最後の晩に僕や皆の中で流れてた音楽ってどんなものだったんだろうか、と思って随分後になって書きました。その記憶に行き場というか、役目を与えて全うさせたかったんです。
 何かが終って、そしてまた新しい別の何かを始めては、きっとそれも終わる。自ら選んだにせよに、仕方なしにせよ、皆何かが終わったその後を生きる、ってのを延々繰り返す。で、終わってもまだやんなきゃいけないことはいっぱいあるんだろ、ってことです。まあ、言ってしまえば当たり前のことですけどね。
 曲のきっかけはそういうものなんですが、他の人それぞれにもそういった状況はあるでしょう。それらはまったく別の時間や場所やシーンなんでしょうけど、それぞれとこの曲が少しでも共振したらいいよなー...とかなんとか思ってます。

ぼくはR.E.M.が大好きなんですが、この曲から、彼らのスロウなナンバーのいくつかを思いだしました。こんな意見について、どう思いますか?

R:あの人たちはいつまでも特別なバンドなんだと思います。「Night Swimming」とかですかね。記憶の扱い方というか距離の取り方がこの曲に関してはもしかしたら似てるのかも。もちろん意識的にトリビュートするつもりは特になかったのですけど、思い起こさせたというのはなんだか嬉しいですね。ちょっと恐縮しちゃいます。

また、ぼくはティーンエイジ・ファンクラブも好きです。『Ryo Hamamoto & The Wetland』には、彼らの音楽にも通じる部分があると言えなくもないような...。いかがでしょう?

R:あまり腰を据えて聴いてこなかったんです。絶対好きなはずなんですけど、タイミング逃していい出会い方ができなかった、っていう感じです。もうそんなことばっかりですけどね。僕はあんまり順等なリスニングをしてこなかったらしくて、なんでそこが?ってとこがすっぽ抜けてること多いんです。すごく惜しいことしてると思うんですけど、それはもうそうゆう運命だったんだと。この機会にお薦めのアルバムを教えてほしいです。

ハマモトさんが生涯で最も好きなソングライターもしくはバンドを(ひとつ? いくつか? どちらでもいいです)挙げて、その理由を教えてください。

R:生涯で、ってなると本当に難しいですね...。洋邦、新しいものも古いものも、いろんなもの聞いては発見したり(あるいはど忘れしたり)してるし...。曲単位だったりアルバム単位で好き、ってことの方がむしろ多いかもしれないし。でもディランは多分これからも折に触れて聞くでしょうね。ディランもシンガー・ソングライターって感じでもないですけど。
 ツェッペリンは一貫してずっと好きです。トム・ペティは憧れです。
 単純に歌手だったら昔からエディ・リーダーが好きでした。どんな曲であっても生き生きとして歌うから。

リョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウエットランドの究極の目標は?

R:多分僕は、倫理観とか、善悪とか、人のこととか、ほとんどのことを音楽を介して学んだり、自分なりに考えたり、練り上げてきたりしたんだと思います。他にやり方がよく分からなかったと言うのもありますが、逆に音楽をやることでいろんなものを見たり、音楽以外のことにも関われたりもする。だからこれからもそうする。そうなると多分、いつまでも納得しないし、まだやりたいこともあるから、たとえ時間かかってでも、まだやる。皆も大体そんな感じなんじゃないでしょうか。だから自分なりに、できるだけ良い音楽を作ること、演奏することが目標と言えば目標です。そして、聞いてくれた誰かが喜んでくれたり楽しんでくれたら、これほど嬉しいことはないです。

ありがとうございました!

R:長々とありがとうございました!


2012年2月
質問作成、文/伊藤英嗣


2012_02_Ryo Hamamoto_J.jpg
リョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウェットランド『リョウ・ハマモト・アンド・ザ・ウェットランド』
(&)

retweet