きゃりーぱみゅぱみゅ「つけまつける」(Warner Music Japan)

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きゃりーぱみゅぱみゅ.jpg いやあ、ここまでアクの強いアーティストって久々かも? 正式芸名"きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ"という彼女は、もともとモデルとして知名度があり、去年中田ヤスタカのプロデュースで歌手デビュー。なんてのは、もはや周知の事実でしょう。

 結論から言いますと、良いんじゃないでしょうか? むしろ大好きですよ! 歌が特別上手いわけでもなく、ダンスにキレがあるわけでもない。それでも彼女が注目され脚光を浴びるのは、日常をエンターテイメントする表現力と、それを可能にするタレント性が大きな要因だと思う。

 メルヘンチックな世界観を反映させたファッションや佇まいが特徴の彼女。しかし、そんな彼女が歌う歌詞は、恋愛やバイトといった日常に根ざしたものだ。そして彼女も、淡々と呟くように言葉を吐きだし、その言葉は"現実の匂い"を漂わせている。この事実は、彼女の音楽がストリート・ミュージックであることを示唆している。きゃりーぱみゅぱみゅの場合そのストリートは"原宿"だが、例えば、でんぱ組.incが"秋葉原"であるように、一般的とは言えないポップ・カルチャーを普遍的大衆の場でエンターテイメントする存在という立ち位置が、きゃりーぱみゅぱみゅの個性である。

 つまりきゃりーぱみゅぱみゅとは、シビアな批評眼と創造性を持った芸術家であり、自ら"作品"となって世にアウトプットする能力に長けた媒体でもある。そして、この二面性を内面に抱えこんでいるからこそ、拭えない"リアル"がグロさとなって表出している。

 彼女がこの先どこへ行くのか、楽しみでしょうがない。

 

(近藤真弥)

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