VCMG「EP1 / Spock」(EMI / Mute)

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VCMG.jpg 元デペッシュ・モード/ヤズー/イレイジャーのヴィンス・クラークと、現デペッシュ・モードのマーティン・ゴアによるユニット、VCMG。たぶんふたりのイニシャルがユニット名の由来だと思うけど、音のほうは、マーティン・ゴアがデペッシュ・モードで鳴らしている音に近い。

 本作はオリジナル・ミックスを含めて全5曲が収録されているが、まず、オリジナル・ミックスのほうは、『Sounds Of The Universe』のボーナス・トラック「Oh Well」を彷彿とさせる。この曲を聴く限り、VCMGはマーティン・ゴアがイニシアチブを握っているのかも。ハード・テクノに近い音を鳴らしているのもそうだし、ループを強調した曲の構成なんかも、マーティン・ゴアの好みが反映されている。どこかレトロチックな音は、近年のデペッシュ・モードに近い音だし、純粋なクラブ・バンガーとはいえないが、より多くの人に聴かれるものを目指したのであれば、これもありだと思う。

 収録されているリミックスでは、当代随一のパーティー狂DVS1のリミックスが秀逸。クラウドをぐいぐいと引っ張っていくグルーヴは、完全フロア使用のダンス・トラックとなっている。リミックス群は、オリジナルをよりフロア向けにしたものではあるが、アゲアゲというよりは、深く潜っていくディープなサウンド・メイキングが目立つ。ヴィンスとマーティンが選んだのかは不明だが、人選の妙といい、確かな審美眼を持つ人間が関わってるようだ。

 注文をつけるとしたら、もうちょいストイックになって、デペッシュ・モード色を排した音作りをしたほうが面白いと思いますよ。まあ、ふたりがこのレビューを見てるとは思えないけど、ヴィンスとマーティン、そこんとこよろしく。

 

(近藤真弥)

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