VARIOUS ARTISTS『Diskotopia Various Artists Volume One』(Diskotopia / Meltimg Bot)

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VA Diskotopia Vol1.jpg ここ1、2年のインディー・ミュージックを聴いている者ならとっくに気づいているかもしれないが、"インディー=ロック"という図式は、もはや存在しない。こうした溶解はジャンルだけに留まらず、従来の音楽的文脈にも及んでいる。もちろん"発祥地"と呼ばれる場所はいまでも存在するが、その場所で生まれた熱狂は、ネットを介してすぐさま人々の間で共有される。こうした"現場のクラウド化"は、今後さらに加速するだろうし、"クラウドこそが現場である"とするボーダレスな音楽シーンが、どんどん増えていくはずだ。

 こうした流れに敏感なレーベルやアーティストは既にいくつか存在するが、晴れてレーベル・コンピ『Diskotopia Various Artists Volume One』をリリースした《Diskotopia》も、そのひとつと言っていい。もともと《Diskotopia》は、2005年から大阪でパーティーをオーガナイズしていたそうだが、2009年には東京へ拠点を移し、2011年にレーベルを立ち上げるにいたったそうだ。まさに出来たてほやほやの新興レーベルと言えるが、XLR8RやFACTにいち早くピックアップされるなど、すでに世界的な評価を高めつつある。その大きな要因として挙げられるのは、先述のボーダレスな音楽シーンと共振する、多彩なリリース群だろう。本作を聴いてもわかるように、ベース・ミュージック、テクノ、ハウス、そしてチルウェイヴにも通じるハイブリットな音楽性が、《Diskotopia》を個性的な存在へと押しあげている。

 冒頭の話に戻るが、本作に宿っているとてつもない速さの溶解は、特定の狭いシーンだけの現象ではない。この溶解は、インディーやエレクトロニック・ミュージックはもちろんのこと、いまや世界中で起こっていることだ。そういった意味で本作は、"今"という興奮を記録したドキュメンタリーとして、輝きを放っている。音楽はいま、こんなにも面白いのだ。

 

(近藤真弥)

 

※本作は1月19日リリース予定。

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