UNDERWORLD『A Collection』(Cooking Vinyl / Beat)

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Underworld『A Collection』.jpg  『A Collection』だけど、これからアンダーワールドを知る人に向けた入門書的アルバムだろうと高を括っていた。過去にリリースされたアルバムやシングルをコンプリートしているファンにとっては、購買意欲をそそられるまでのものではないと・・・。ところがふたを開けてビックリ! むしろ、細かいところにまでこだわるファン向けの作品で驚いた。

 今年は日本においてアンダーワールドを観る機会が多かったように思う。3月11日の大震災を受けて、《Sonar Sound Tokyo 2011》にアンダーワールド DJsとしてカール・ハイドとダレン・プライスがノーギャラで出演し、8月には《Sonicmania》でヘッドライナーの役割を圧巻なパフォーマンスで務め上げるなど、相変わらずの姿を見せてくれた。そして2011年も終わりに差しかかる12月に彼らは、我々に『A Collection』と『1992-2012 The Anthology』というプレゼントを用意してくれた。そのうちのひとつが、今回紹介する『A Collection』だ。

 収録曲の半数が別ヴァージョンで、「Dark And Long (Dark Train)」「Mmm Skyscraper I Love You」「Rez」は"2011 Edit"となって収録されている。そして本作は、現在まで数多くのアーティストとコラボレーションしてきたアンダーワールドの成果と言えるトラックも数曲入っている。「The First Note is Silent」、「Beebop Hurry」、「Downpipe」がそれで、それぞれハイ・コントラストとティエスト、ブライアン・イーノ、マーク・ナイトとD・ラミレスといった面々とコラボした楽曲となっている。そのなかでも「The First Note Is Silent」はとても興味深い曲。トランス畑のティエストとUKドラムンベースのハイ・コントラストが参加というのもあってか、どこまでもハイになれる恍惚感と出音が強烈なビートがリスナーの耳を楽しませてくれる。正直あまりにベタな曲でどうかな? と思ったけど、ここまでベタに振りきれていたらもはや笑うしかない。2.5DやMOGRA、ニコファーレなんかで流れると映えそうなアンセム。この曲のためだけに、本作を手に取る価値はあると思います。

(近藤真弥)

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