はやっ! キープ・シェリー・イン・アテネから新作が届きました。その名も「Campus Martius EP」。そして本作はなんと、あの《Planet Mu》からのリリース。だからなのか、本作では今まで以上に、ダブステップ以降のビート感覚が強調されている。
まず、1曲目のソーラー・ベアーズ「Cub(Keep Shelly In Athens Remix)」については、すでにネットで音源が出回っていたから、聴いたことがある人も多いはず。このリミックスは、過去のリリース群の音楽性を多分に引き継いだ、開放感あふれる壮大なエレ・ポップだ。そして、2曲目の「The Chains」以降が、本作においてもっとも注目すべき音が鳴らされている。
「The Chains」は幾分チルウェイヴの影がちらつくものの、プロダクションやビートは、先述のダブステップ以降のビート感覚が色濃く出ている。「パコーン」と鳴るスネアしかり、音響に関する遊び心もいままで以上に発揮されていて、プロダクションの幅がさらに広がった印象だ。「Campus Martius」も、ビートの部分で遊び心が見える曲となっているが、こちらは、IDMのようなプログラミングが特徴的。いま挙げた2曲は、キープ・シェリー・イン・アテネにとってチャレンジングな作りで、今後の方向性を占う曲になりそうだ。
「Struggle With Yourself」は、従来の音楽性を引きずった曲だが、それでもやはり、ゴシックな雰囲気が強調されたヘヴィなものとなっている。「胸キュン!」とも形容できるポップ・ソングを書いてきたキープ・シェリー・イン・アテネだし、"萌え"がなくなった本作の方向性が好きになれない人もいるだろう。しかし、ポップ・ミュージックとしての強度と野心は、間違いなく本作が一番。
