N'夙川BOYS『Planet Magic』(Victor Entertainment)

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Nsyukugawaboys.jpg  山崎洋一郎が"最高のロックンロール・バンド"、と評したらしいが、そしてその通りだけど、何となくその言い方は一時期の狂騒を言い表したフレーズのようにも聞こえてしまうから、あんまり好かない。でも嬉しい。ここまで来た。「モテキ」効果かどうかは分からないが、アルバムも売れているらしいし、サブカルの枠を超えて話題になっている。サブカル村なんてクソくらえだから。サブカルはクソじゃないけれど、サブカル村の住人はクソだから。そして彼らが堂々と「ロック・イン・ジャパン・フェス」に出演したことは、今年のベスト・ニュースのひとつに違いない。観に行っていないから分からないけれど、そういうことにも変に意固地を張らず、ひるまず、飄々と出ていくのがじつに彼ららしいと思った。彼らには拒絶がない。後追いも何も関係ない。今回の新作『Planet Magic』は過去最高にポップで、個人的にも一番好きな作品である。こうやってメジャーになっていって、オリコン1位にくらいまで上り詰めてくれたら本気で嬉しい。でも消費されないで。誰かの音楽的アイデンティティーを向上させるためだけに使われないで。もっとみんなの人生の中心で鳴らされるポップ・ソングであって。日本のど真ん中のポップソングであって。

「プラネットマジック」も「Candy People」を凌ぐ名曲に違いないが、「ミッドナイトエンジェル」はいまだ成功を夢見るだけの日本中のバンドたちから嫉妬を買うであろう超名曲だ。彼らには才能がある。演奏力はない。でも頼むから「演奏が下手だけど、そこが良い」とか、そんな次元で収めるのは勘弁してくれ。

(長畑宏明)

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