MADEGG「Bluu」(Self Released)

|

Madegg「Bluu」.jpg  早くもマッドエッグの新作がリリースされた。しかし、これだけのリリースペースを保ちながら、常に新たな視点や試みを見せてくれるのは嬉しい限り。まず驚かされたのはジャケ。これ、ジェームズ・ブレイクの"アレ"じゃないのかな? 「Bluu」のほうがカラフルで素朴な感じがするけど、絶対意識してるよね?

 音のほうは、ビート・メイカーとしてのマッドエッグが前面に出ていて面白い。今までのリリース群から察するに、彼はビートよりも音そのものに強いこだわりを持っていると思っていたが、そのこだわりを保ちつつ、フライング・ロータストキモンスタのような"急進派"とされるヒップホップをマッドエッグなりに解釈したEPとなっている。収録楽曲も2~3分台の曲がほとんどで、聴き手に強い印象を残しながらもあっという間に終わってしまう。だが、この短い尺のなかに詰まった感情や風景は膨大なものだ。アレックス・パターソンの徐々に精神世界へフェード・インしていく緩慢な心地良さも素晴らしいが、瞬間的に「パッ! パッ!」と景色が変わっていくマッドエッグの演出方法もまた素晴らしい。全7曲ゆったりとしたグルーヴながら、次へ移行するスピードはとてつもなく速い。それでも突き放すようなことはせず、聴き手をしっかり掴んで離さない。まるで異世界を案内するコーディネイターのように音が鳴っている。

 このままビート・ミュージックの方向性を突き詰めるのかは不明だが、「Love 2」のようなセクシーなノリを携えた曲を聴くと、ぜひビートにこだわった曲作りをしてほしいと思わずにいられない。玉石混交となっているビート・ミュージックに新たな風を...。その風になれる素質は間違いなくあるんだから、マッドエッグには。

(近藤真弥)

 

※本作はマッドエッグのバンドキャンプからダウンロードできる。

retweet