KEEP SHELLY IN ATHENS「Our Own Dream EP」(Forest Family) [reviews]

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Keep Shelly in Athens.jpg  インディー・ロック界隈だけでなく、各方面で話題を振りまいているキープ・シェリー・イン・アテネ。EPをリリースすれば即完売することでも知られるギリシャ出身のデュオだ。日本では音そのものよりも即完売することが話題になってしまっていて、「ちょっとそれはどうなん?」と思わなくもないが...。

 それはともかく、キープ・シェリー・イン・アテネの音楽性はほんと面白い。一言で言えばエレ・ポップだが、そこにニュー・ディスコ / バレアリックやヒップホップを取り入れるなど、非常にミュータントな音を鳴らしている。そんな2人の音から連想するバンド名を挙げていけば、エールや初期ティアーズ・フォー・フィアーズ、ほんのスパイスとして『Songs Of Faith And Devotion』以降のデペッシュ・モードが加えられているといったところだ。これらの要素を細かく噛み砕き、チルウェイヴ以降のモダンなポップ・ミュージックとして昇華するセンスがキープ・シェリー・イン・アテネの強力な武器となっている。

 しかしなにより耳を惹かれるのは、独特なシンセ・ワークだろう。クールでひんやりとしたシンセ・ワークはダーク・アンビエントな雰囲気を漂わせているが、奥底にたおやかな温もりを潜ませるなど、複層的にレイヤーが織り込まれている。ひとつひとつの音が丁寧に重ねられていて、注意深く聴けば虹のように多彩な色を感じさせるシンセ・ワークは、カラフルなミルフィーユといったところか。このシンセ・ワークに陶酔的なグルーヴとダウンテンポ・ビートが交わることによって、光と闇の間を彷徨うゴシックな雰囲気を生み出しているのもユニークだ。

 まあ、ちょっと難癖つけるとすれば、アクセントとしてビートの出音を強くする瞬間を作ってもいいんじゃないかな? 例えばアタックを強調したキックを交ぜるとかさ。マッドチェスターを彷彿とさせるリズムの組み方は悪くないけど、ビートのパターンはヴァリエーションに欠ける。音色作りは申し分ないだけに、ビートの引き出しを増やしたら、もっと化けるかもしれない。と、最後は愛の鞭で締めさせてもらう。

 

(近藤真弥)

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このページは、伊藤英嗣が2011年10月28日 11:35に書いたブログ記事です。

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