AOKI LASKA「About Me」(Youth / & records)

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AOKI LASKA.jpg  懐かしさや安心感を覚える、優しくおおらかなヴォーカルから、よくいるシンガー・ソングライターと勘違いしてしまいそうですが...。ピアノをメインに据えたアオキ・ラスカの音作りは、清涼飲料水のように爽やかで好感度高し。彼女にとって初めての(全国流通の)ミニ・アルバムだけど、全く気負いがなく、あるのはシンプルで穏やか、そしてドリーミーで時にフォーキーなポップ。ふわふわなのに、意外にも腰の入った酔拳のような(笑)、グルーヴが奥底に息づいているのも彼女の魅力の1つでしょう。

 ルーズで甘い歌い口も調子良さげで実に快く、彼女のヴォーカリストとしての素晴らしさを認識させられます。その歌が持つ表情は、たおやかながらも渇いたクールネスを湛えた彼女独自のもの。そして、静けさの中に響く、両手からこぼれ落ちる繊細で美しい音の粒たち。酔いしれること必至なサウンド・ストーリーがここにあります。黄昏色に輝く(と私は思う)ラストも本当に素敵。

 

(粂田直子)

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