歌詞対訳の扉:その4:ザ・ビーチ・ボーイズ

| | トラックバック(0)
さて、オトトイの歌詞対訳講座第2期、無事始まりました!

こんな感じで進んでいきます。

まずは60年代。第1期でとりあげた「60年代を代表するバンド」はザ・ビートルズでしたが、第2期はザ・ビーチ・ボーイズ!

ビーチ・ボーイズといえば「スクエア」かつ「軟派」なイメージと、とりわけブライアン・ウィルソン(や亡くなったデニス・ウィルソン)が背負っている「内省的」で「アーティスティック」なイメージの両極端があると思います。ひとによっては前者、ひとによっては後者をより強調したくなるところでしょう(前者にこだわるひとは、もしかしたら後者のことは知らない可能性も?)。

日本には、山下達郎など、その両者をうまく消化したアーティストがいます。解散したフリッパーズ・ギターなんかも...。

最近の洋楽でいえば、ザ・ドラムスなんか、完全にそうですね。ファースト・アルバムが『Pet Sounds』まで(「Surfin' USA」とか歌ってた初期のころ含む)とすれば、今回のセカンドは『Smile』(制作から40年以上たった「初の公式リリース」まで、あと1週間を切りましたね:笑)~『Smiley Smile』っぽい...と言えなくもない。

今回は(「講座第1回」ということもあり、とくに「課題」はお願いしなかったので)ぼく(伊藤)による「Surf's Up」の対訳を紹介します。

これは、もともと『Smile』に入る予定だった曲ですが、結局(同じアルバムに収録されるはずだった別の曲と組みあわせて)70年代初頭のアルバム『Surf's Up』のタイトル曲になりました。

メイン作詞者はヴァン・ダイク・パークス。彼ならではの「アメリカ音楽」史や状況に対する視点(「ビジネス」に対する自嘲的皮肉含む)が、あまりにみごとに反映された歌詞だと思います。

>>>>>>>>>>

「Surf's Up」

ダイアモンドのネックレスをポーン(歩兵)代わりに使うチェス
手に手をとって ドラムのビートが聞こえる
堂々とした動きのバトンにあわせて
盲目の上流階級
オペラ・グラスでふりかえったきみは見る
C席のひとたちと流行の趨勢のあいだに勝ち負けは存在しない
途中にコラム...支柱が立ってるから ドミノ倒しは失敗してしまう

町中を調査して 舞台の背景をエアブラシで描こう
眠ってるの?

ぶらさげられたヴェルヴェットがぼくに覆いかぶさる
ほの暗いシャンデリアの光で目を覚ます
夜明けに溶けていくうたにあわせて
音楽ホール ぜいたくなおじぎ
あらゆる音楽は 今その存在価値を喪失している
ミュートされたトランペットの音のような声で自画自賛する歌手によって
途中にコラム...支柱が立ってるから ドミノ倒しは失敗してしまう

町中を調査して 舞台の背景をエアブラシで描こう
寝てるの 寝てるの ブラザー・ジョン?

鳩が塔の巣で羽をやすめている そろそろ
ストリートに水銀のような月が昇る時間だ
車が霧のなかをとおっていく
ランプを手に 二拍子で 倉庫にしまわれた曲を照らそう
「蛍の光」にあわせて大きな笑い声が起こる

グラスをかかげ 炎でよく焼いて
ワインはなみなみと 最後の乾杯であることは隠して
さよならの港で もしくは死を

悲しみに沈む気持ちが首をしめ 心臓が硬化していく ぼくは
信じがたいほどまでに 夢破れた男 泣くにはタフすぎる

サーフィンは終わり
潮流に乗りこもう
全力で向きを変え 合流しよう
若者たち そしてきみがよく与えた泉
ぼくはあの言葉を聞いた
素敵なやつ
子どものうたを

子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
子どもは人類の父である
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
子どもは人間にとってお父さん
これは子どものうた
子どもが歌うのを もう聴いた?
そのうたは愛
子どもはやりかたを知っている
だから 子どもは人間にとってお父さん
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
ナナナナナナ
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども
だから 子どもは人間にとってお父さん
子ども 子ども 子ども 子ども 子ども

(対訳:伊藤英嗣)

>>>>>>>>>>

なお、このタイミングで、先ほどまでこのカテゴリーにアップされていた「第1期の第6回(10年代のアーティスト)に関する記事」を、とりさげました。

ちょっといろいろ考えて、よくなかったかな...という部分があったので。

あっ、そこで「課題」の結果を発表していた、小口さん、太田さん、澤さんの対訳内容には、なんら問題ありませんでした! あくまで「権利」とかに関すること。基本、反省してます。だけど、ものすごくややこしい話ゆえ、ここでくわしくは述べません(まあ、機会があったら、また、いつかどこかで:笑)。

この回は、以上です!

2011年10月26日11時34分(HI)

*ツイッターにて、tadd igarashi(@taddihno)さんよりご指摘がありましたが、「surf's up」という単語には、たしかに、サーファーのスラングで「いい波がきた!」みたいな意味があります。そのまま訳すのも、より「皮肉」が強まっておもしろいのですが、ぼくはあえて上記のように訳しています。説明不足、申し訳ありませんでした! tadd igarashiさん、ありがとうございます!【10月26日夜追記】

retweet

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 歌詞対訳の扉:その4:ザ・ビーチ・ボーイズ

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://cookiescene.jp/mt/mt-tb.cgi/2971