歌詞対訳の扉:その2:ロキシー・ミュージック&ブライアン・イーノ

| | トラックバック(0)
さてさて、前回このコーナーをアップしたのが6月前半だったんですが、それからなんとなくドタバタで、なかなかアップできなくて申し訳ありませんでした。

これは、「伊藤がオトトイでやっている『歌詞対訳講座』の受講生の方々および伊藤による歌詞対訳を発表していく」コーナーです(なお、受講生の方々の対訳は、「課題」として提出してもらったものを、場合によっては伊藤が修正したものとなっています)。

その講座、ビートルズをテーマにした4月につづいて、5月のテーマはロキシー・ミュージック、そして(初期ロキシーの重要なメンバーであった)ブライアン・イーノでした。

ロキシーの歌詞を伊藤が(少しだけ)対訳したものについては、この原稿(昨年のフジ・ロック・レポートおよび今野雄二さん追悼記事)を見ていただくとして、まずは(その原稿でもチラリとふれた)セカンド・アルバム収録曲の歌詞を、どうぞ。

>>>>>>>>>>

「In Every Dream Home A Heartache」

どんな夢のような場所にも心の痛みはある
一歩踏み出すたびに
天国の先へと連れて行ってくれる
だけど 天国なんてあるのかな
あると思いたい
生活水準は
毎日あがっている
だけど「素晴らしい家」なんてのは
口さきだけの話になってる

呼び鈴から蛇口まで
小さな町のアパート
コテージもいいね
宮殿のような母屋
ペントハウスがあればなおさらイイな
だけど何が起こってるの?
そこで何をするの?
祈ったほうがいいのかも

将来の計画を開こう
バンガローで農園暮らし
こんな快適な全てが
小粋なものに思えるね
僕は君をメール・オーダーで買った
包装紙みたいな恋人
肌はまるでビニール
完璧な相手
新しい家のプールにキミは浮かんでいて
デラックスに楽しいさ

折りたたみ人形
キミに尽くそう
使い捨ての愛しきキミ
今じゃキミなしじゃいられない
永遠で等身大
僕の息がキミの中に
毎日着飾って
死ぬまで共にいよう
折りたたみの人形
恩知らずなキミ
キミを膨らませるたび
キミは僕の心を吹き飛ばす

ああ この心の痛みよ
夢のような「家」でボロボロになり果てた心

(対訳:草野虹)

>>>>>>>>>>

これは「豪邸に住んでいながらダッチワイフ(ご存知ですか?)を買った男」のストーリーなんですが、(この原稿でもふれたとおり)「図式」としては完全に「二次元キャラの抱き枕を買った(わりと金銭的に余裕のある)オタク」と同じ...。そんなノリがよく出てると思いませんか?

つづいて、イーノ脱退後のサード・アルバムから。

>>>>>>>>>>

「Amazona」

アマゾナ...
そこは
疑いも
放射性降下物もないところ
 
鏡から飛び出して
見てみたらどうだい?
 
アリゾナから
エルドラドまで
とても長い道程だろう
 
お嬢さん
どうかしたのかい?
知っているよ
たどり着くのが困難なことは
 
ベルタワーからは
虚ろな鐘の音が
だけどスペインの君のお城では
気づいているのかな
 
そして憧れの気持ちは深く
雲はみんな銀の環でふちどられている
そう 楽園は
君のすぐ側にあるんだ
 
アマゾナではすべてが素晴らしい
僕の手を取ってくれないか?
君をそこへ
連れていってあげてもいいよ
 
アマゾナは
目前
もうすぐ見えるよ
 
この旅路も終わり
間もなく到着さ

(対訳:高木タツオ)

>>>>>>>>>>

ロキシー・ミュージックは、80年代に入ってからの『Avalon』でその「旅」を終えるんですが、なんというか70年代前半の段階で「もうすぐ終わる」と言いながら、5年以上かかった...みたいな(笑)。

彼らは80年代初頭に「ゴッドファーザー・オブ・ニュー・ウェイヴ」みたいな形で(現役ながら)再評価されるんですが、その真っ最中にこんなシニカルな曲を残しています。

>>>>>>>>>>

「Same Old Scene」

何事も永くは続かない
確かだと思ってたことも
オファーがあったから
受けてみる気になっただけ

若者の愛ってのは
意地悪だな
俺は生き続けられるのか
この代わり映えのしないシーンの中で?

もっと身軽だった時には
大切なものなんてあまりなかった
ずっとひどい天気だった
どうにかやり過ごしてきたけど

曲がり角を曲がったら
信じられないよ、
また昔と同じ映画のようだ
頭から離れない

若者の愛ってのは
たちが悪い
代わり映えのしないシーンを
リバイバルしようとしてる

若者の愛ってのは
極端だな
俺らも代わり映えのしない情景に
跳びこむべきなのかも

何事も永くは続かない
確かだと思ってたことも
オファーがあったから
受けてみる気になっただけ

何事も永くは続かない
確かだと思ってたことも
申し出があったから
受けてみる気になっただけ

何事も永くは続かないもんさ

(対訳:冨田展章)

>>>>>>>>>>

そして彼らの「旅の終わり」は...。

>>>>>>>>>>

「Avalon」

パーティーも終わり
疲れてしまった
そんなとき 君が近づいてくるのがわかった
どこからか
沢山のことが伝わってきた それも一瞬で
話したこともなく 君を知っているわけでもないのに

アヴァロン

サンバが君をつれていくとき
どこからともなく
背景が薄れていき
ピントが合わなくなる
眼に写るものは変わっていくのか?
その瞬間ごとに
そして 君の行きつくべき場所
それを君は知らない

アヴァロン

踊りながら...

ボサノヴァが流れていれば
すべてが解きはなたれる
僕を踊りに導いてくれないか?
それがどこであろうと

アヴァロン

(対訳:赤木孝彰)

>>>>>>>>>>

この回の講座では、ブライアン・イーノの歌詞についても研究しました。その成果の一部を、3曲つづけて...。イーノ・ファンの方、是非ご覧ください!

>>>>>>>>>>

「The True Wheel」

ぼくらは801
ぼくらは中心軸

きみが有利になるようにここにいる
ぼくらには乗りものがないから
ある種の通りにはある種の曲がり角がある
そのうちぼくらは君の角を曲がる

ぼくらは801
ぼくらは中心軸

かくして2年のあいだ ぼくらは大海原を渡っていた
小さな乗りもので(漕げや漕げや漕げ)
いまぼくらは電話をかけてる
最後の詰めをするために(リンリン)

ぼくらは801
ぼくらは中心軸

ある割合(ア・サートゥン・レイシオ)を探してる
カーペットの下に置きっぱなしのはずだ
ラジオのチャンネルを行ったりきたり
あれあれ今日はなんにもかかってないや
ある割合を探してる
駐車場に止まってるのを見たやつがいるらしい
ラジオのチャンネルを行ったりきたり
あれあれ今日はなんにもかかってないや
ロデオに戻ろう
それそれそれそれそれ行くぞ!

ぼくらはテーブル 船長のテーブル
わかってもらおう わかってもらおう
ぼくらは敗者 ぼくらは航海者
わかってもらおう わかってもらおう
ぼくらは晩餐者 最後の晩餐者
わかってもらおう わかってもらおう
ぼくらのほとんどは鋳掛け屋 なかには仕立て屋も
燭台もあるしカクテルスティックもたくさんある
ぼくらは恋人たちを見た モダンな恋人たち(モダン・ラヴァーズ)を
彼らはイカしてた イカにもって感じだった
ぼくらはご近所さん おせっかいなお隣さん
ぼくらは君と同じように考える 君と同じようにね

(対訳:太田健介)

>>>>>>>>>>

「Backwater」

よどんだ水
僕らは瀬戸際の航海に出る
逆流水
喫水線ギリギリに漂って 沿岸水域を浮遊する
君と僕 そしてポーターの娘たち
いったい何ができるってんだ!?
背の小さい娘さんが 死の海域に手をつっこむ
畜生! こんな小舟で何ができるってんだ!?

黒い海
僕たち6人だったのが今や5人
みんなで話しつづける
会話が途切れないように
あるエクアドルの上院議員によると
ペルー南部の丘に墜落した流星を
スペイン人の征服者が発見して献上したら
皇帝はトルコの導師にあげちゃったって

彼の娘
神学者になる予定だ
彼は分裂と境界線について悟らせた
もし君が記号論理と
神秘主義の自己発見を学んだなら
みんながあまり楽しそうじゃないことに
気づくだろう
そんな弾道学にゆだねるには
現実的になりすぎている
ブドウのつるに絡まることも甘んじて受けよう

(対訳:澤美佐子)

>>>>>>>>>>

「Spider And I」

スパイダーとぼくは座って空を見ている

音のない世界で

ぼく達はクモの巣をはりめぐらす
たった一匹の小さい蝿を捕らえるために

音のないぼく達の世界のために

朝は眠る

出航する舟を夢みて

1000マイルもはなれて

(対訳:小口瑞恵)

>>>>>>>>>>

この回は、以上です!

2011年10月7日9時2分(HI)

retweet

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 歌詞対訳の扉:その2:ロキシー・ミュージック&ブライアン・イーノ

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://cookiescene.jp/mt/mt-tb.cgi/2947