茂木欣一、加藤隆志、柏原譲。それぞれ長年に渡ってミュージシャンとしてキャリアと実績を積み重ねてきた3人によるバンド、それがSo Many Tearsだ。謂わばベテランとも呼べる人達が終結したバンドだが、『So Many Tears』に宿るその瑞々しいフレッシュな音と輝きに驚かされた。
アルバムを通して貫かれているのは、60~70年代のブリティッシュな雰囲気。そしてイノセンスだ。前述した瑞々しさとも繋がるけど、確かな演奏技術と閃きを持つ3人が純粋に音楽を楽しみ、その結果として生まれる純度の高い情熱と熱狂が、『So Many Tears』には刻まれている。まるで新人バンドのような勢い、だらだらと冗長になることがない適度な緊張感、そして何より素晴らしいのは、鳴っている音楽がリスナーの近くに存在することだ。
So Many Tearsは、リスナーと音楽を共有したいという強い欲求を持っていると思う。それは現在の我々に取って音楽は近くなったようで、その実、音楽に対する好奇心が薄れていると彼らが感じているからかもしれない。情報は簡単に入手でき、音楽自体も様々な方法で聴くことができるようになったが、そのことで失われたものは確実に存在する。『So Many Tears』には、その失われたものを取り戻そうする意志を感じる。
