RUSTIE 『Glass Swords』(Warp / Beat) [reviews]

RUSTIE.jpg  ラスティーのファースト・アルバム『Glass Swords』はマジで最高! 音を鳴らす喜びに満ち溢れた初期衝動、"ジャンル"を嘲笑うかのように様々な音楽を行き来するフットワークの軽さ。デトロイト・テクノ、グライム、16ビット、はたまたファンクにプログレッシヴ・ロックまで、ラスティーの豊かな音楽性が遺憾なく発揮された傑作と断言していいだろう。

 2007年に発表された「Jagz The Smack EP」も、現在のベース・ミュージックの雛型となる曲が詰まった予言的な作品だったが、そんな「Jagz The Smack EP」ですら"クラシック"に追いやってしまうほどの未来を、『Glass Swords』は描いてしまった。恍惚的なシンセとギター・サウンドが高らかに舞う「Glass Swords」。レーシングゲームのサウンドトラックに収録されていそうな「Flash Back」。地球を揺るがす破壊的なビートが刻まれる「Surph」。そして、オールド・スクール・レイヴなシンセがキラキラと輝く「Hover Traps」。ここまでは疾走感溢れるトラックが並んでいるが、ヒップホップ色が強い「City Star」以降は、「Death Mountain」のようなヘヴィ・トラック、どこまでもハイになれる「Ice Tunnels」など、あらゆる方向からリスナーの心と耳を楽しませてくれる。アルバム前半は統一感を保ち、一定のグルーヴを維持しているが、中盤以降の縦横無尽に駆け回る奔放な姿がラスティーの本質だろう。

 ラスティーは、ハドソン・モホークと同じグラスゴーのエレクトロニック・シーンから出てきた逸材で、文字通り時代を象徴する存在と言っていい。ほぼすべての音楽は手に届く範囲にあり、それゆえ過剰にならざるをえない現代に生きる同時代性の塊。それがラスティーだ。

(近藤真弥)

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このページは、伊藤英嗣が2011年9月14日 01:04に書いたブログ記事です。

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