LUOMO 『Plus』 (Huume / Octave Lab )

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LUOMO『Plus』.jpg『Convivial』以来約3年振りとなるアルバム『Plus』だが、ちょっと興味深い内容となっている。

 Vladislav Delay名義でのリリースやMoritz Von Oswald Trioへの参加などからも分かるように、フィンランドのサス・リパッティという男はBasic Channel に多大な影響を受けている男だ。同時にメタルを愛聴し、ジャズ・ドラマーとしても活動する多彩な才能の持ち主でもある。そんな彼にとってルオモとは、型に囚われないポップ・ミュージックを追及する場であるようだ。

 前作『Convivial』はロバート・オーウェンスやScissor Sistersのジェイク・シアーズなど個性豊かなアーティストが参加したアルバムで、クリック色を強く打ち出した遊び心溢れるものとなっている。『Plus』でもその遊び心は健在だけど、それがハウスのエロティシズムへと傾いているから面白い。シカゴ・ハウスや80年代エレクトロ・ミュージックを彷彿とさせる音が目立ち(実際シカゴから来たというシカゴ・ボーイズなるデュオがヴォーカリストとして参加している)、インディー寄りのディスコ・ミュージックと共振する要素もある。そこにダブをポップに活用したハイレベルなプロダクションとエロスが絡んでくるのだ。こうして上品さと卑猥な感覚を行き来する『Plus』は、聴く者の五感を文字通り犯していく。

(近藤真弥)

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