ウィー・アー・サイエンティスツ at Nano-Mugen Festival, 横浜アリーナ(Day 2)2011. 7. 17

 タイム・テーブルは当日発表、という洋邦混ざったフェスでは画期的なアジアン・カンフー・ジェネレーション主催のナノムゲン・フェス。


 客層は主にアジカン目当てだが、タイム・テーブルを知らされていないとあって昼のオープンから客入りはバッチリ。


 そんな中で洋楽最初のアクトとなるWAS。その前にアジカン・メンバーからこんなMCタイムが設けられた。


「洋楽、外国人ってなると急に固まる人いるよね。このナノムゲン・フェスにおいて金縛りは禁物ですから。皆さん盛り上がったら手を上げたりして下さいね」と、このような趣旨のご挨拶だった。


 そしてアーハの「テイク・オン・ミー」などが流され、続いて幕を開けたWASのステージ。一体そのアクトとは...?


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 この日は昨年リリースされた最新作の『バーバラ』を中心としたセットリスト(Day 1では1stの「グレイト・エスケイプ」などをプレイ)。デビュー当時のヒット・ソングといえば「ノーバディー・ムーヴ、ノーバディー・ゲット・ハート」をやっただけだ。それでも「ルールズ・ドント・ストップ」「アイ・ドント・バイト」といった曲で盛り上げる。今回の客層が英語をわからないことを知ってか知らずか、トークはほぼゼロ。「エイジアン・カンフー・ジェネレーション、呼んでくれてありがとう」。そして「グレイト・フレンド、マット・シャープ!」とザ・レンタルズのマットをステージに呼び2ndから「アフター・アワーズ」を一緒にプレイ。このラストのコラボは両日ともに行なわれた。アジカンMC効果もあって、合唱こそならなかったもののオーディエンスのリアクションも上々だった。


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 余談。このあとザ・レンタルズのバック・バンドとしてアッシュのメンバーと一緒にWASのキースもギター&バッキング・ヴォーカルとして参加。マットに合わせたのか、いつものコンタクトレンズを外してメガネで登場したキース。全く謎に包まれているがメガネ萌えの婦女子は必見だ。


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 ところで1stアルバム『ウィズ・ラヴ・アンド・スクアラー』はギター1本で作り上げたもの。初来日もギター&ヴォーカルのキース・マレイはギターを一度も持ち替えることなく全ての曲をプレイしていた。それに対し2nd『ブレイン・サースト・マステリー』は2本以上のギターを使用している。このことが音楽性の変化をもたらした要因の一つであるとも言えよう。ところが3rd(最新作)ではどこか1stに近い質感に仕上がっている。これはまさか...と思ったらそのまさか。今回のナノムゲンではなんと初来日と同じあのオフホワイト(薄い茶色?)のギター1本だけを使用し全ての曲をプレイしたのだ! なんという感動だろう! そして以前のように「キース&クリス(・ケイン)」ではなく、2人組になったにもかかわらずキースが完全にフロントマンとして前面に出ていたのだ。もちろんクリスはベースを弾きながらコーラス(バッキング・ヴォーカル)もたくさん歌ってはいたが、マイクの位置をキースより一歩後ろにずらしていたのである。


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 ここまで読んで下さった皆様は既に、筆者がクレイジーなギターおたくであることがバレバレだろう。だがWASは最高のギター・バンドだ。フェスでもギターはよりパワフルに、3ピース(サポート・ドラマーは元レイザーライトのアンディ・バロウズ)とは思えないほどの音の深みを実現していた。しかし一方で以前こんな発言もしていたのだ。「俺は一人で3人分のパワフルなギターを弾くことが出来る。でもそれは無駄だと気付いたんだ」(キース)「それは「イナクション」を作ってるときに起こった出来事だった」(クリス)。


 それがライヴでこんなふうにパワフルに変化するなんて...やはりキースは天才なのだろうか。それとも時間が彼(ら)を変えたのか?


 そして私吉川、恒例のプレゼント・タイム。アンディも一緒に行動しているとは思わなかったのでアンディには可哀相だったがキースとクリスに用意したのは「線香花火」。「どうやってやるの? ここ? ここに火を付けるの? そうするとシューッて出てくる感じ?」(クリス)


 異文化の、そしてトラディショナルでシンプルな花火。花火は儚い。何故なら一瞬にして光と闇を味わうからだ。一瞬の輝きとあとに残る虚無感。しかし彼らはまだ輝いている。WASはまだ光り続けている。


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 そんな彼らはこの秋から次のアルバムのためのレコーディングを行なうことを先日発表した。だが...「(プランは)ノー。まだ全然考えてないんだ」(キース)と意外な言葉が...。2ndアルバムでは少し80年代のテイストも入っていたと思うんですがちなみに今おいくつですか? の問いには「34~! になったよ」(キース)とやはりミッド・サーティーの世代。私も30だから80年代ミュージックは大好きなんだ、と答えると「おぉーいいねぇー」と笑顔でグッド・リアクションのキースであった。さて今度はどんなアイディアをぶち込んでくるのだろう。素晴らしいキャッチーなメロディー・メイカーとしても成長してきたWAS。故郷NYブルックリンを離れカリフォルニアに移住したWAS。ドラマーも脱退し2人組となったWAS。実に楽しみすぎる。


セットリスト


Saturday: 

1. Nice Guys 

2. I Don't bite 

3. Nobody Move, Nobody Get Hurt 

4. Rules Don't Stop 

5. Pittsburgh 

6. Central AC 

7. The Great Escape 

8. After Hours (w/ Matt from The Rentals) 


Sunday: 

1. I Don't Bite 

2. Let's See It 

3. Nobody Move, Nobody Get Hurt 

4. Can't Lose 

5. Pittsburgh 

6. Dinosaurs 

7. Jack And Ginger 

8. After Hours (w/ Matt from The Rentals)


(吉川裕里子)


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