DJ DIAMOND 『Flight Muzik』(Planet Mu) [reviews]

  これマジでヤバい。何がヤバいって? シカゴはウェスト・サイドから出てきた、Karlis GriffinことDJ Diamondによる『Flight Muzik』というアルバムが!僕は同レーベルからリリースされた『Bangs And Works Vol.1: A Chicago Footwork Compilation』収録の「Freakazoid」「Ready Mother Fucka」で彼の音楽に初めて触れたんだけど、この2曲に出会ったときの衝撃を余裕で超えるものが、『Flight Muzik』には詰まっている。

 DJ Diamondは、徐々に注目され始めているシカゴのジューク/フットワーク・シーンのプロデューサーであり、シーンのなかでも若手の部類に入る。独特のカットアップ・センスと、他に類を見ないグルーヴを生み出すミニマル・フォーマットが特徴のアーティストだ。もちろん『Flight Muzik』でも彼の才覚は遺憾なく発揮されていて、トランス風のシンセと加工されたラウドギターが絡み合う「Decoded」などは、DJ Diamondの真骨頂とも言える曲だ。


 アルバム全体としては綿密なサウンド・プロダクションが施されていながらも、ワイルドで肉感的な雰囲気を崩していない。例えば『Room(S)』におけるマシンドラムは、ひとつひとつの音を洗練し、ひたすら角を磨き上げることによって上品とも言えるグルーヴを展開した。DJ Diamondの音も洗練されてはいるが、それは優雅で高尚な方向に向かうものではなく、あくまでゲットー・マナーに基づくドープさを維持している。このドープさこそが、DJ Diamondにとっては目指すべき「よりよいもの」であり、だからこそ、執拗とも言えるくらい「汚れ」をエフェクトとして曲に与えているのかもしれない。この「汚れ」という要素の使い方に関してDJ Diamondは異質なセンスを持っているし、このセンスこそが、DJ Diamondを他のプロデューサー達とは違う個性的な存在たらしめているのは間違いない。

(近藤真弥)

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このページは、伊藤英嗣が2011年8月 1日 06:44に書いたブログ記事です。

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