VARIOUS ARTISTS『TB Or Not TB』(Self-Released)

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 このコンピは、ハード・オンリーのアシッド・ソングを集めたコンピレーション・アルバムだ。M3という同人系のイベントで販売されたこのコンピは、今までリリースされたアシッド・コンピの中でも、クオリティがずば抜けて高いと言える。ただのアシッド・コンピではなくて、しっかり練られた曲順、具体的には、3部構成のような並びになっている。前半はシカゴ・テイストなアシッド・ハウス、中盤はニュー・ウェイヴを感じさせる曲が多く、終盤はトランスの要素が色濃く出ている。それとクレジットには、楽曲ごとに使用された機材が記載されていて、808ステイト『Exel』を想起してしまった(このアルバムも使用機材が記載されている)。TB-303を持った女子高生ジャケもそうだが、こういったところにも、テクノ好きのフェチ心をくすぐられる。

 アシッド・リバイバルは、数えるのも面倒なくらい何度も起きている。もはや「アシッド」というジャンル自体がクラシックになったのかも知れない(曲単位ではクラシックと呼べるものはあったが)。それは、すべての音楽が平均化された現在だからこそなのだろうか?おそらくこの先、アシッドは流行にも左右されず、永遠の魅力を放つ音として語り継がれていく。ノスタルジーよりも、同時代性が強く感じられる曲群を聴いていると、そんなことを想像してしまう。本作は、意識が飛ばされるような強烈アシッド・サウンドと、アシッド・サウンドに対するリスペクトと愛情が詰まった、日本が世界に誇れるアシッド・コンピだ。

 (近藤真弥)

 

*本作はTB OR NOT TB特設サイトで通信販売している。【筆者追記】

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