VARIOUS ARTISTS 『Haruta EP』 (Lowfer Records)

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V.A.『HARUTA EP』(Lowfer Records).jpg『Haruta EP』は、ダブステップがダブステップを自ら取り込み、進化していることを証明するコンピだ。

 国産ダブステップ・レーベルとして、6月にオープンした《Lowfer Records》が放った最初の一手に収録されている楽曲群は、ダークな2ステップが雛型となって生まれたのがダブステップとするならば、ダブステップから逸脱している。元々ダブステップは非常に高い順応性を持った音楽だけど、その順応性を主因として進んだ多様化のなかで、ダブステップはダブステップを超えてしまった。そして、この「ダブステップを超えたダブステップ」が、「ポスト・ダブステップ」と呼ばれる音の正体だと思う。しかし僕は、「ダブステップを超えてしまった」音を「ポスト・ダブステップ」と呼ぶことに、違和感を覚えてしまう。強いて言うなら、「ベース・ミュージック」ではないだろうか?まあ、なんとも曖昧な言葉ではあるが、現在進行形で進むこの混沌とした音楽を表すには、適した言葉だろう。

《Hessle Audio》からリリースされた『Hessle Audio: 116 & Rising』や《Planet Mu》の『14 Tracks from Planet Mu』といったコンピ、それからアフリカ・ハイテック『93 Million Miles』などがダブステップ以降のベース・ミュージックを上手く鳴らしているけど、『HARUTA EP』は、これらに匹敵するくらい現在のベース・ミュージックと未来を表している。曲単位では、ニュー・エレクトロとダブステップをごった煮したような相対性理論「Miss Pararel World (Loco Edit vvotaro retouch)」や、曲名が表すように、弾けるような爽快感が気持ちいいMononofrog 4sk「Soda Float」が、ヘヴィさを保ちつつも、国産らしい軽やかなグルーヴを生み出している。日本からも、こうして素晴らしいベース・ミュージックが生まれていることを我々はもっと知るべきだし、『Haruta EP』は、その第一歩として最適なコンピであるのは間違いない。

(近藤真弥)


追記 『Haruta EP』は、Lowfer Recordsのホームページで無料ダウンロードできる。


 

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