THE WOODEN BIRDS 『Two Matchsticks』(Barsuk)

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THE WOODEN BIRDS.jpgのサムネール画像  ヘッドフォンの両極で、ウォームで朴訥とした、木の匂いを感じさせるドラムとパーカッションがかたかたと軽快に鳴る。前作同様のこのスタイルが実に気持ち良い。ステレオ・ラブやピンバックがアコースティック編成になったようでもあるが、際立ってフォーキーであるところが唯一無二であるし、やはりアメリカン・アナログ・セット同様、何よりもメロディの立ち方が最優先されている。

  ウッデン・バーズは、90年代からオースティンにて活動していたローファイ・バンド、アメリカン・アナログ・セット(再始動を切実に求めてます)のフロントマン、アンドリュー・ケニーを中心としたバンド。本盤は二枚目のフル・アルバムにあたる。アメリカン・アナログ・セットでは、抑制されたビートや独特な音色のジャズマスターが緩やかなテンポで淡々と響き、じわじわと内省的なカタルシスが込み上げてくるような姿勢が、全てのアルバムで変わらず貫き通されていた。いわゆるリビングルーム・ライク、ベッドルーム・ライクなバンドであったのだが、こちらのプロジェクトでも、その姿勢は貫かれている。対照的であるのは、そういったアットホームな形式を崩さないまま、アメリカン・アナログ・セットの内省さから解放されたかのような、外に向いたスタイルであるという点である。友達を沢山招いて、自宅の庭でアメリカン・アナログ・セットの曲を演奏でもしたかのような雰囲気が漂う。それは前作がより顕著であったのだが、本盤にもその流れは汲まれており、かつてのアメリカン・アナログ・セットらしいナンバーもいくつか垣間見える(5曲目、9曲目なんて正に)。

 ハイハットからシェーカーに、ドラムはスティックからブラシに持ち替え、繊細にヴィブラートをかけたギターのメロディは伸びやかで柔らかい。とりわけ、各音の配置、アコースティック・ギターの豊かな響きは格別だ。ベン・ギバードやマット・ポンド(こちらは正式にメンバーとしてクレジットされている)などのゲスト陣に囲まれていながらも、相変わらずアンドリュー・ケニーはいまいち派手さに欠けているが、派手かどうかなんてことは些事たるものである。

(楓屋)

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