アフリカ・ハイテック『93 ミリオン・マイルズ』(Warp / Beat)

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 グローバル・コミュニケーションやハーモニック313名義などで長年活躍しているマーク・プリチャード。J・ディラとコラボレーションした「Eve」で知られるスティーヴ・"スペイセック"ホワイト。この2人によるユニットが、アフリカ・ハイテックである。そのアフリカ・ハイテックが生み出した傑作アルバム『93 Million Miles』は、ダブステップ以降のハイブリット音楽が迎えたひとつのピークだ。ダブステップ自体が非常に順応性が高い音楽で、人によってはアティチュード的な視点で見るくらい曖昧なものだが、見事に2人は、その曖昧さと順応性をうまく活用している。

 僕が分かるだけでも、初期のレイヴやアシッド、ジャマイカン・ダンスホールにグライム、さらにはジェイムス・ブラウンのようなソウル・ミュージックの要素まで垣間見れる。他にもトライバル・ミュージックや、ジュークのような最新型ゲットー・ミュージックもあったりと、20年以上ダンス・ミュージック・シーンの最前線で活躍してきた2人の歴史と同時に、現在進行形で進んでいるモダン・ミュージックが交わることで生まれているのは、一歩先の未来。つまり、2012年以降のベース・ミュージックが進むべき道のブループリントが鳴らされている。正直、若いアーティストがこうしたアルバムを作り上げたら、より大きな衝撃をもって受け入れられたかも知れないけど、本作が傑作であるのに変わりはない。

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