伊勢谷真臣

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MY AUTUMN EMPIRE『The Village Compass』*画像
JAMES YUILL『Movement In A Storm』
PARAELE STRIPES「Feyz」EP
SHUGO TOKUMARU『Port Entropy』
4 BONJOUR'S PARTIES『Okapi Horn』
FILM NOIR『Ilolinna』
ARCADE FIRE『The Suburbs』
VAMPIRE WEEKEND『Contra』
神聖かまってちゃん『友達を殺してまで。』
スピッツ『とげまる』

 2010年は、私の音楽ライフにとって大きな変化(非常に残念な!こと)があった年。もちろんその一つがバイブルとしていた雑誌「Cookie Scene」の突然の終了...。更に超巨大な試聴機として活用していた「Napster Japan」の終了...。

 しかしながら次々とすばらしい作品がリリースされ、私の淀んだ気持ちを清々しくしてくれた。

 2010年にかなり聞き込んだと記憶するのが、マイ・オータム・エンパイア『ビレッジ・コンパス』。ポスト・ロックでお馴染みのエピック45の一人、ベンジャミン・トーマス・ホルトンのソロ・プロジェクト。エピック45を一言で表すならば、ノスタルジー。子供の頃、夕飯の時間が迫っているのに時間を忘れて友達と遊び呆け、途中で薄暗くなって初めて家に帰らなければいけないことに気付く...例えばそんな少し悲しい気持ちを思い出させてくれるのがエピック45ならば、このマイ・オータム・エンパイアはエピック45のノスタルジーを纏いながらも、どこか爽やかな秋のひとときを感じさせる。一聴してすぐに耳に馴染むというか、わかりやすいオーガニックなサウンドも魅力の一つだろう。エピック45として何度も来日していることから、次回はマイ・オータム・エンパイアとしてのソロも含めて是非ともライブを体感し、在りし日の自分自身を思い出してちょっぴりセンチメンタルな気分に浸りたい。

 また軽やかで分厚いアコースティック・エレクトロをたった一人で奏でるジェームズ・ユール。ファースト・アルバムに収録されている「ノー・サプライズ」に完全ノックアウトを喰らって以来、かなり気になる存在となった彼のセカンド・アルバムが『ムーブメント・イン・ア・ストーム』。基本的にはファースト・アルバム『ターニング・ダウン・ウォーター・フォー・エアー』の延長線上にあるが、より表現力が豊かになった感があり、彼に対しては内向的なイメージを持っていたが、外に外にとの意識が垣間見え、外向的になろうという意識・雰囲気を感じる(あくまでもイメージ)。特に2曲目「クライング・フォー・ハリウッド」にはある種の突き抜け感があり、今後の彼の変化が非常に楽しみ。しばらく目が離せない存在。

 一年を振り返って残念なのは、年初の記憶が薄く、すばらしい作品を多く体感しているにも関わらず作品を並べてみると後半リリースのものが目立つこと。そう考えるとライブの体験というのは記憶はもちろんのこと体が覚えている。そういう意味ではパラエル・ストライプスのライブには衝撃を受けた。ファースト・アルバム『ファースト・テンス』に続くセカンド・(ミニ・)アルバム『フェイズ』リリース後のツアー。私は新潟県在住で、この地でお目にかかれるとは思わなかっただけにうれしい体験だった。ポスタル・サービスばりの「ブルース」でこの人たちは本当に音楽が好きなんだな...とある種の感動を受けてから、まだかまだかと待ち続けていたセカンド・(ミニ・)アルバムで、予想を見事に打ち砕いてくれた。何だ! この変化は? 確かに次の作品の方向性には大いに興味があったが、ライブ・パフォーマンスも含めてここまで変わってしまうとは...。10代・20代位の若い人達が踊り狂っている姿には少々距離感を感じてしまったが、純粋に踊り楽しんでいるその姿は明らかにパラエル・ストライプスが新たな境地に達し、新たなファンを掴んだ証明。今後の活躍には大いに期待。

 自分の記憶から10作品を無理やり捻り出す作業は楽しいけれど、自分の記憶力の無さにガッカリしてしまうことは否定できず、脳の老化を感じる今日この頃。これら以外にもあるはず...。いや、これからもっと素晴らしい作品がどんどんリリースされるはず...。

 神聖かまってちゃんが「ロックンロールは鳴り止まないっ」でロックに出会った初期衝動を爽やかに(?)叫んでいるが、私もあの頃の気持ちをこれから世に出る作品から感じ続けたいと思う。音楽に対して純粋でいたい!

 2011年にも大いに期待したい。

 あれ! 10作品すべてのコメントがなかったですね...。すいません。

(伊勢谷真臣)

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