電気グルーヴ『電気グルーヴのゴールデンヒッツ Due To Contract』(Ki/oon)

denki.jpg「契約のために」


「Due To Contract」を訳すとこんな意味になるわけだけど、実際はどうか知らないし、特に注目しているわけでもない。だって、そういう掴みどころがないのが電気グルーヴだと思うから。


 電気グルーヴは、いい意味で人の期待を裏切ってきた。祭り上げられそうになるとジョークをしてみせ、悪ふざけを求められると真面目に丁寧なことをする。でもそれは、電気グルーヴが確かな音楽的力量を持っているからこそできることではないだろうか? 今回のベストアルバムを聴いて思ったのは、「普通に良い曲を作ってきたんだな」ということ。気持ちいい符割りの「N.O」や「Upside Down」はもちろんのこと、歌モノではない「Nothing's Gonna Change」にまで歌心が宿っている。僕は「ギターに歌わせる」バーナード・サムナーのプレイが大好きなんだけど、電気グルーヴの音にも似たような「歌っている音」というのがたくさんある。


 まりんによる全曲リマスターなどのトピックはあるものの、それ以外に目を引くようなトピックがないのも事実だ。しかし、この『電気グルーヴのゴールデンヒッツ Due To Contract』というのは、メロディーメイカーとしての電気グルーヴの姿を鮮明にしたという意味では意外と重要なアルバムになるのではないだろうか? それが狙いなのかは不明だが、選曲も比較的おふざけが少ない曲が多いし、まりんのリマスターも大きく変化させるというよりも、現在のリスニング環境を考慮した「微調整」といった手を施している印象だ。しかもそれが、より電気グルーヴの歌心とメロディセンスを分かりやすくさせているし、本当に素晴らしい仕事をしている。これから電気を知る人の入門編としてはもちろんのこと、メリーノイズ(卓球さんが昔組んでいたバンド)の頃から追いかけている熱心なファンが聴いても、面白い発見がある良いベスト・アルバムだと思う。

(近藤真弥)

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