CAT'S EYES 『Cat's Eyes』(Downtown) [reviews]

Cat'sEyes.jpg ゴシックな雰囲気とサイケデリアを、刺々しいホワイト・ノイズに包んだ『Primary Colors』。ザ・ホラーズが09年にリリースした名作には、不穏な空気と言い知れぬ恍惚が同居していた。

 あれから2年、フロントマンのファリス・バドウィンのソロ・プロジェクトが届けられた。相手はヴァンクーバーのオペラ歌手兼マルチ・インストゥルメンタリスト、レイチェル・ゼフィカ。黒服に身を包み並んだ二人には禍々しくも麗しい雰囲気が漂う。かつて、ホラーズのPVを監督したクリス・カニンガムが美実を手がけたからということもあるだろう。だが、そこには背筋がすっと寒くなるような妖しさと、それでいて見つめずにいられない美しさがある。
 
 このプロジェクトのインスパイア源となったのは、ジョー・ミークとフィル・スペクター、そして映画『ダーティー・ダンシング』だそうだが、ひとたびプレイ・ボタンを押して流れ出すのは余りにも流麗なポップネス。ファリスのテナーとレイチェルのソプラノは滑らかに溶け合い、オーケストラに彩られたメロディは息を呑むほど洗練されている。ノイズを撒き散らすディストーション・ギターは、物語の暗部を描いているのだろう。アルバム全体としては、まるでディズニー映画の1シーンに迷い込んだよう。そんな印象をリスナーに与えてくれる。

 このノスタルジーを感じさせるポップなプロジェクトを経て、ホラーズは次にどのような動きを見せるのか楽しみでしょうがない。

(角田仁志)

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このページは、伊藤英嗣が2011年4月 8日 09:37に書いたブログ記事です。

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